インプラントの安定性を測定する機材:オステルについて
こんにちは!イオンモール柏の国道6号線向かいの歯医者ウィズ歯科クリニックの歯科医師の小川です!
今回はインプラント安定性のメカニズムと当院のインプラント治療の際に使用しているインプラントの安定性を測定する機材について説明させていただきます。
インプラント安定性には、Primary stability(初期固定)とSecondary stability(二次固定)の2つがあります。初期固定はインプラントを埋入した時に骨により固定されることにより得られる安定を指し、二次固定は埋入したインプラント周囲に新しい骨が再生され、再生された新しい骨とインプラントが直接結合したことで得られる安定を指します。二次固定で獲得される安定性はオッセオインテグレーションと呼ばれています。インプラント治療の成功を評価する場合、オッセオインテグレーションの獲得の有無が極めて重要であると言えます。
図1はPrimary stability(初期固定)とSecondary stability(二次固定)の関係性です。
初期固定による安定性はインプラント埋入後2週目頃低下していきます。その代わりに二次固定による安定性はインプラント埋入後2週目頃から増していき、5週目頃からピークを迎えます。二次固定は、すなわちオッセオインテグレーションの獲得であり、この二次固定が得られている時期を正確に把握することで、インプラント治療をより安全に行えます。またインプラントの安定性を正確に評価できることで治療期間の短縮にも繋がると考えられます。
図1:Raghavendra S, Wood MC, Taylor TD (2005): Early wound healing around endosseous implants: a review of the literature. Int J Oral Maxillofac Implants. 2005 May-Jun; 20(3):425-31
当院ではこのオッセオインテグレーションの獲得、並びにインプラントの安定性を数値化できる機材である‘オステル’をインプラント治療の際に使用しています。
図2のオステルは安全性の高く質の高いインプラント治療をするために、明確に数値で定量的に判断するために開発されました。オステルISQは、共振周波数測定し解析することにより、インプラントを機能させる時期を決定する手助けをします。
インプラント治療でインプラントを機能させる時期を決定することは、とても重要な問題の一つでありオステルISQは早期の処置に対する要望に応える事ができます。例えば、今までは3ヶ月という盲目的に決められていたことも、2ヶ月で数値がよければ被せ物に移行する事ができます。
60以下は低い安定性
65くらいは中程度の安定性
70以上は高い安定性
70以上で被せ物に移行する事ができます。
このように、数値で安定性を評価する事ができます。
図2:共振周波数解析装置「オステル ISQアナライザ」によるインプラント体の安定性評価 2015年3月1日発行 デンタルマガジン 152号 SPRING
インプラントの安定性を評価する機材として、オステルのISQ値と近似したIST値を測定できる図3のエニーチェックという機材も導入しています。インプラント治療の際はこれらの機材を用途や治療ステップに応じて使い分けることでより正確な診断をする手助けとしています。
図3:インプラント初期固定値・二次固定値測定計 『エニーチェック』インプラントジャーナル2019 77号(ゼニス出版)
インプラント治療を受けられる患者様にとっては「インプラントが本当に長持ちするか?インプラントをした歯でしっかり噛んでもいいのか?」と不安になる方もいらっしゃると思います。当院ではそんな患者様の不安を少しでも解消するために最新機材を揃えて、より安全・安心なインプラント治療を提供できる環境を整えております。
今後もオステルやエニーチェックのような最新機材を積極的に導入し、患者様により最善な医療が提供できるよう日々精進していきます。
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