子供の健康な歯を守る!小児歯科で行う予防歯科について解説!
こんにちは。イオンモール柏向かいにある、ウィズ歯科クリニック歯科医師小川です。
「定期的に予防歯科に通ってお子さんのお口の健康を守りましょう」このような言葉を見聞きした経験はありませんか。健康志向の高まりから、昨今、疾患を予防することに注目が集まっています。子供の予防歯科に興味はあるけれど「何をするのか不安で受診できていない」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、子供の予防歯科が大切といわれる理由や、小児歯科でおこなう予防歯科・自宅でおこなう予防歯科について解説していきます。小児の予防歯科について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
子供の予防歯科が大切な理由
予防歯科が大切と耳にする機会が増えてきましたが、なぜ子供のうちから予防歯科に通うことが大切なのか、疑問に感じている方もいるでしょう。
子供の予防歯科が大切といわれている理由は、以下の4つです。
・虫歯などの疾患を予防できる
・歯並びやあごの骨格の問題を早期に発見できる
・虫歯に対する予防意識がつく
・歯医者に対する恐怖心がなくなる
それぞれ詳しく解説します。
虫歯などの疾患を予防できる
予防歯科に定期的に通うことで、虫歯になりにくい・歯肉炎などのトラブルが起きにくい環境に整えられます。定期的に歯科医院で口内を確認していると異常を早期に発見できるメリットがあります。また、虫歯などが見つかっても簡単な治療で済む場合が多く、通院回数も少なくて済むでしょう。
歯並びやあごの骨格の問題を早期に発見できる
予防歯科では、虫歯や歯肉炎の有無はもちろん、歯並び・噛み合わせに問題がないか確認してもらえます。歯並び・噛み合わせに問題があった場合、早めに歯列矯正の相談ができる点もメリットです。
また、重度の虫歯で上手く食べ物が噛めていない場合や、虫歯などで乳歯を早期に失っていると、あごの成長や永久歯の萌出に悪影響をおよぼします。予防歯科に通っていれば適切に対処してもらえるので、あごの成長や永久歯の萌出への悪影響を回避できる可能性が高いです。
虫歯に対する予防意識がつく
子供のうちから予防歯科に通っていると、正しいブラッシング方法と食習慣が身につきやすいです。予防歯科では、一人ひとりの口内の状態を見て、磨き残しがある部分やハブラシをあてにくい部分のブラッシング指導をおこないます。また、食習慣の乱れは虫歯リスクを高める原因の1つです。間食の摂り方や食事内容など、虫歯リスクの高い食習慣でないか確認して、問題があればアドバイスします。
定期的に口内の状態を確認してもらい、歯科医師・歯科衛生士からブラッシング方法を指導してもらうことや食生活の確認をおこなってもらうことで、自然と虫歯に対する予防意識を持つことができるでしょう。
歯医者に対する恐怖心がなくなる
歯医者といえば「痛い」「ドリルの音が苦手」など、マイナスなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
予防歯科でおこなう処置は、歯磨き指導や歯の掃除がメインです。症状を治すための治療ではないので、痛みがないのが一般的です。そのため、ふだんから予防歯科に通っているお子さんは歯医者に対する抵抗感が少なく、恐怖心を抱く可能性が低いでしょう。口内に器具を入れることにも慣れているので、仮に「虫歯」ができてしまってもスムーズに治療を進められる場合が多いです。
小児歯科で行う予防歯科
小児歯科ではどのような処置がおこなわれるのか知らない方も多いと思います。事前に内容を理解しておけば、余裕を持って子供のサポートに回ることができるでしょう。
以下に、小児歯科でおこなう予防歯科を紹介していきます。
口内の確認
予防歯科で最初におこなうのは口内の確認です。
子供や親御さんに口内で気になる部分がないか伺って、虫歯や歯肉炎・歯並びや噛み合わせで異常や問題点がないかチェックします。場合によっては、レントゲン撮影や口内写真を撮影して確認することもあるでしょう。
ブラッシング指導
虫歯・歯肉炎などの疾患は、ブラッシングで防ぐことが可能です。予防歯科では、子供の口内の状態を確認してハブラシのあて方を指導します。
子供の口内は一人ひとり成長段階で歯の本数も生え替わりかたもさまざまです。そのため、成長の過程に合わせて適切なブラッシング方法を取得する必要があります。ブラッシング指導では、必要に応じて染め出しをおこない、目で確認してもらいながら子供の能力に合わせた適切なブラッシング方法やハブラシの選び方を提案します。
食事指導
食生活は、各家庭の習慣が現れやすく間食の摂り方や内容によっては虫歯のリスクを高めてしまいます。
予防歯科では、ふだんの食生活について特に間食の時間や内容を聞き取り、問題点があれば指導します。ハブラシで汚れが落とせていても、糖分の多い食べ物・飲み物を摂り過ぎていたり、ダラダラ食べをしていたりする子供は虫歯リスクが高いです。食習慣は、歯磨き習慣と同じくらい口内環境に影響を与えるといえるでしょう。
PMTC・スケーリング
PMTCとは、自宅でのブラッシングでは落とすことのできない着色汚れやバイオフィルムと呼ばれる細菌の膜を機械で落とす予防処置のことをいいます。バイオフィルムは、歯の表面に長時間にわたって磨き残しやプラークが付着しているとできる細菌の膜です。PMTCで着色やバイオフィルムを落とすと、細菌の繁殖を減らすことが期待できるでしょう。
また、プラークが石灰化して歯石が付いている部分があれば、スケーリングをおこないます。歯石の表面は、ザラザラしているのでプラークがつきやすく、虫歯菌や歯周病菌の繁殖を加速させる原因の1つです。歯石がついている場合は、スケーラーと呼ばれる専用の器具で歯石を取り除きます。
フッ素塗布
生えたばかりの乳歯・永久歯は、歯の質が弱く虫歯のリスクが高いです。フッ素には「歯の質を強くする効果」「唾液の歯を修復する作用を助ける働き」「虫歯菌の活動を抑制する効果」があり、高い虫歯予防効果があるといわれています。生えたての歯はフッ素の吸収が良いので、より高い効果が期待できるでしょう。
定期的に歯科医院で高濃度のフッ素を塗布してもらうことで、虫歯の原因となる酸に強い歯をつくることが可能です。フッ素の効果は個人差がありますが3〜6か月といわれています。効果を持続させるためにも、最低でも半年に1回の塗布がおすすめです。
シーラント
シーラントは、奥歯の歯の溝にプラスチックを詰めてハブラシをあてやすくする予防処置です。
生えたての奥歯は、噛み合わせの溝が深い特徴があります。溝が深いとハブラシの毛先が届きにくく、磨き残しがたまりやすいです。さらに、生えたての歯は歯の質も弱いので、ケアを怠ると虫歯になる可能性が高くなります。シーラントは、深い歯の溝にプラスチックを一層詰めて歯の溝を浅くすることで、ハブラシが届きやすい環境に整えます。
ただし、シーラントは欠けたり外れたりしやすいので、仕上げ磨きのときに口内を確認してあげましょう。
自宅でできる虫歯予防
小児歯科を受診して定期的な予防歯科をおこなうのは大切なことです。
ただし、虫歯や歯肉炎などの疾患を予防するには、自宅での口内ケアもしっかりおこなう必要があります。以下に、自宅でできる虫歯予防を紹介していきます。
フッ素入り製品を取り入れる
小児歯科での定期的な高濃度フッ素塗布と併用して、自宅でもフッ素入り歯磨き粉やジェル・洗口液を使用するとより虫歯予防に効果的です。フッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムと表記されているものはフッ素が配合されています。フッ素入りのオーラルケア用品は多くの種類が発売されているので、お子さんの好みにあったものを探して継続して使用しましょう。
食事・間食の仕方を考える
食事や間食は規則正しくバランスを考えて食べるようにしましょう。間食は、成長途中の子供にとってエネルギーを確保するために必要です。
ただし、糖質が多い食べ物をダラダラと長時間食べていると虫歯リスクが高くなります。間食する際は、時間を決めて糖質が多くならないようにバランスを考えて与えるようにしましょう。また、キシリトールなど虫歯菌に効果的な食品を取り入れるのもおすすめです。
仕上げ磨きをおこなう
虫歯予防のために、ブラッシングは必要不可欠です。予防歯科では、一人ひとりの口内に合ったブラッシング方法を指導します。指導された方法で自宅でもしっかりとブラッシングをおこなって、磨き残しがないように努めることが重要といえるでしょう。
ただし、小さなお子さんは一人ですみずみまでハブラシをあてることが難しく、磨き残しがある可能性が高いです。長時間にわたって磨き残しを口内に残さないように、最低でも1日1回は仕上げ磨きをおこなってあげましょう。仕上げ磨きは、小学校中学年くらいまでは必要といわれています。仕上げ磨きの時間の確保は大変だと思いますが、口内の確認も含めて時間を作るように心がけましょう。
まとめ
将来、子供が虫歯や歯周病などの疾患に悩まない健康な口内環境を手に入れるためには、自宅でのケアはもちろん、予防歯科でのケアも積極的に受けることをおすすめします。小児のうちから予防歯科に定期的に通うことで、正しいブラッシング方法や食習慣を確認してもらえるので、自然と予防意識が身につくでしょう。また、予防歯科でフッ素塗布やシーラントをおこなえば、虫歯になりにくい口内環境に整えることが可能です。子供の健康な歯を守るためにも、予防歯科デビューを検討してみてはいかがでしょうか。
予防歯科を検討されている方は、今回の内容を参考にしていただき、柏の歯医者「ウィズ歯科クリニック」までお気軽にご相談ください。
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