小児歯科でのブラッシング指導とは?具体的内容を詳しく解説!
こんにちは。イオンモール柏向かいにございます、ウィズ歯科クリニック歯科医師の小川です。
お子様がしっかりとブラッシングできているのか、不安を感じている親御さんは少なくありません。また、自身の仕上げ磨きが適切なのかわからない方も多いでしょう。このようなお悩みを解消するために「ブラッシング指導」を取り入れている小児歯科が多くなってきております。
本記事では、小児歯科でおこなうブラッシング指導のメリットや指導内容、自宅でブラッシングする際に気を付けることを解説します。ブラッシングに自信がない方やブラッシング指導に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
お子様のブラッシング指導を受けるメリット
小さいうちからブラッシング指導を受けるメリットはあるのでしょうか。お子様がブラッシング指導を受けるメリットは、以下の3つです。
・生涯にわたってお口の健康が維持できる
・ブラッシングのポイントを理解できる
・一人ひとりに合ったブラッシング方法を知ることができる
以下に解説していきます。
生涯にわたってお口の健康が維持できる
お子様のうちに正しいブラッシング方法を習得すると、生涯にわたって「お口の健康」を維持することが期待できます。
お子様が将来、虫歯・歯周病などの疾患に悩まないためには、自宅でおこなう日々のブラッシングが重要です。こどものうちからブラッシング指導を受けることで、ブラッシングの重要性を理解することができます。幼い頃からブラッシングの重要性や正しいブラッシング方法を習得できる点は、ブラッシング指導を受けるメリットといえるでしょう。
ブラッシングのポイントを理解できる
歯の表面に磨き残しがあると、虫歯菌の出す酸によって歯が溶けてしまい虫歯になります。虫歯から歯を守るためには、お口の中を清潔に保つことが大切です。
歯には「汚れが残りやすい部分」があります。汚れが残りやすい部分を理解しているだけで、ブラッシングの際に意識してハブラシを当てることができるでしょう。ブラッシング指導では、一般的に汚れが残りやすい部分の磨き方を指導します。磨き方のポイントを理解することで、効率よく汚れを落とすことが可能です。
一人ひとりに合ったブラッシング法を知ることができる
歯並びは、個人差が出やすく一人ひとり異なります。お子様のお口の中は、乳歯と永久歯が混在している状態で、時期に合った磨き方が必要です。一般的なブラッシング方法に加えて、一人ひとりに合ったブラッシング方法を取り入れることで、より効率よく汚れを落とせます。
ブラッシング指導を受ければ、お子様の歯並びに合わせたハブラシや補助清掃用具・ブラッシング方法などのアドバイスしてもらえます。ブラッシング指導で歯並びに合わせた磨き方のコツを習得すれば、よりお口の中を清潔に保つことが期待できるでしょう。
こどものブラッシング指導の内容
はじめて小児歯科を受診される場合「ブラッシング指導はどのような内容なのか」と、不安や疑問を感じる親御さんも多いでしょう。
小児歯科でおこなわれる歯磨き指導の一般的な内容や流れは、以下のとおりです。
・磨き残しの確認
・ブラッシング指導
・歯科医師や歯科衛生士によるブラッシング
・クリーニング
以下に解説していきます。
磨き残しの確認
染め出し液を塗布して、歯の表面に付いている磨き残しを確認します。
染め出し液を使用する目的は「今のブラッシング方法でどれだけ磨き残しがあるのか」を理解してもらうためです。磨き残しを確認することで、力が入り過ぎている・特定の部位だけブラッシング時間が短いなどのブラッシングの癖を発見できます。
ブラッシング指導
ふだんどのようにブラッシングしているのか、実際にお子さんに磨いてもらいます。ブラッシングの基本的な方法や、磨き残しがある部分はどのように磨けばいいのか、実際にハブラシで磨きながら確認します。
磨き方に癖がある場合は、改善できるように具体的なアドバイスがあるでしょう。また、フロスやワンタフトブラシなどが必要な場合は、使用方法の確認と練習をします。
歯科医師や歯科衛生士によるブラッシング
歯科医師や歯科衛生士が、お子様の歯をハブラシやフロスなど用いて実際に磨いていきます。
仕上げ磨きの参考になるため、どのように磨いているのかよく観察するといいでしょう。
クリーニング
ハブラシでは落とすことができない歯石や着色汚れ、バイオフィルムと呼ばれる細菌の膜を機械で取り除きます。
定期的にクリーニングで汚れを落とすことで、汚れが付きにくい環境に整えることが可能です。
ご自宅でブラッシングする際に気を付けること
お子様にご自宅でブラッシングする際には、気を付けるポイントがあります。それは、以下の4つです。
・回数より磨き残しがないように磨く
・虫歯リスクが高い部分から磨く
・仕上げ磨きをおこなう
・幼児が「ひとり磨き」する際は近くで見守る
以下に解説していきます。
回数より磨き残しがないように磨く
歯磨きは回数も大切ですが、しっかりと汚れが落ちているかがポイントです。ブラッシング回数が多くても、お口の中の食べカスやプラークが残っていると虫歯になってしまいます。歯磨き指導で指導された磨き方を意識して自宅で実践するようにしましょう。
虫歯リスクを低くするには、回数ではなく、磨き残しがないように正しくブラッシングすることが大切です。
虫歯リスクの高い部分から磨く
こどもが虫歯になりやすい部分は、噛み合わせ・歯と歯の間・歯と歯茎の境目です。特に6歳臼歯や生えたての乳歯・永久歯は虫歯リスクが高いため、磨き残しがないようにブラッシングが必要です。
ブラッシング指導で要注意と指導された部分があれば、優先的に磨くようにしましょう。虫歯リスクが高い部分から意識して磨くことで、効率よく汚れを除去できます。
仕上げ磨きをおこなう
仕上げ磨きは、少なくとも10歳前後〜12歳くらいまでおこなうことが理想的とされています。こどものお口の中は乳歯と永久歯が混在しており、ハブラシが当てにくく虫歯になりやすい環境です。ハブラシを使って細かい部分を磨けるようになるのは、10歳前後といわれています。
仕上げ磨きをおこなって、こどもだけでは落としきれなかった汚れを取り除くようにサポートしましょう。
幼児が「ひとり磨き」する際は近くで見守る
2歳前後の幼児にひとり磨きをさせる際は、必ず近くで見守るようにしましょう。ハブラシをくわえたまま転倒してしまうと、喉に刺さり大怪我をするリスクがあります。2歳頃のこどもは、ハブラシをくわえたまま歩いたり走ったりすることが多いです。こどもは予想外の行動をすることがあります。
ひとり磨きをおこなう際には、危険な行動をしないように近くで見守るようにしましょう。
うまくブラッシングできていないと思ったら
丁寧に仕上げ磨きをおこなっていても歯並びによっては、うまくブラッシングできていない部分が出てくる場合があります。うまくブラッシングできていないと感じたら、歯科医院で予防処置をしてもらうことをおすすめします。予防処置をおこなえば、虫歯になりにくい環境に整えることが可能です。
以下に、歯科医院でできる予防処置をご紹介します。
フッ素塗布
フッ素には虫歯予防効果があります。乳歯や生えたての永久歯は、歯の質が弱く虫歯になりやすいです。小児歯科を受診して定期的にフッ素塗布をおこなえば、歯の質を強くして虫歯を予防することが期待できます。
フッ素の効果には個人差がありますが、3か月前後が目安です。定期的に歯科医院を受診してフッ素塗布をしてもらうようにしましょう。
シーラント
生えたての臼歯は、歯の質が弱いだけでなく、溝が深く複雑な場合が多いです。深い溝に汚れが入り込むと、ハブラシで除去することが難しく、時間がかかります。
シーラントは、歯の溝をプラスチックで埋めて浅くします。シーラントをおこなえば汚れが入り込みにくく、ハブラシが当てやすい環境に整えることが可能です。特に6歳臼歯は虫歯リスクが高いため、シーラントの虫歯予防効果が期待できるでしょう。シーラントは歯を削らないため、安心して受けることができます。
クリーニング
クリーニングでは、歯の表面に残っているプラーク、ブラッシングでは落とせない歯石や着色、バイオフィルムなどの汚れを取り除きます。
歯石や着色汚れの表面はザラついているため、プラークが付きやすいです。定期的にクリーニングをして汚れを取り除けば、プラークが付きにくい清潔な状態を保つことができます。
まとめ
お子様の歯を虫歯から守るためには、ブラッシングが必要不可欠です。小児歯科でブラッシング指導を受けることで、磨き癖や汚れが残りやすい部分を確認できます。指導された内容を自宅で実践すれば、効率よく汚れを落とすことができるでしょう。ブラッシング指導では、お子様一人ひとりの歯並びに合わせて適切なブラッシング方法を教えてもらえます。「仕上げ磨きの際にここが磨きにくい」「ハブラシはどれがいいのか」など、疑問がある場合は遠慮せずに質問してみましょう。プロの視点から的確にアドバイスしてもらえるため、参考になることが多いです。歯科医院のブラッシング指導を定期的に受けて、お子様の「お口の健康」を守りましょう。
当院では、小児の虫歯治療と予防に力を入れております。少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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