インプラント治療の安全性とリスクについて詳しく解説!

こんにちは。千葉県柏市の歯医者、ウィズ歯科クリニックの国際口腔インプラント学会認定医、歯科医師の手島です!

 

インプラント治療を検討しているけれど、本当に安全なのか不安を感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。インプラント治療は、審美性や機能面の高さから治療を検討される方も少なくありません。

そこで本記事では、インプラント治療の安全性とリスクについて詳しく解説していきます。インプラント治療の安全性に不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

インプラント治療とは?

歯の治療器具を持つ女性歯科助手

インプラントとは、歯を失った際に行う治療法のひとつです。歯を失った際には、機能面や審美性を回復させる必要があります。

インプラントは、失った歯の代わりに人工チタンを顎の骨に埋め込み、その上に被せ物を被せることで失った歯を補っていきます。チタンは、人体との親和性が高い素材で人工関節などでも用いられる安全性が実証されている素材です。

インプラントは、入れ歯やブリッジと比較して審美性が高く、ご自身の歯と同じように噛むことができる点が大きな特徴として挙げられます。また、インプラントの生存率は10年で97%で、入れ歯は約4年で50%、ブリッジは約8年で50%と比較して長く安定して使えることも大きなメリットといえるでしょう。セルフケアをしっかりと行い、歯科医院の定期メンテナンスを受けることで生涯に渡り使うこともできます。

インプラントは、保険適用外で自由診療のため費用は高額になりますが、選択する方が昨今増えてきている治療法なのです。

インプラント治療の安全性

歯の模型を使って説明をする女性歯科医師

インプラント治療は外科手術を伴うため、安全性に不安を抱えている方も少なくないでしょう。

インプラント治療は、事前の検査で適応症と判断され、全身の健康状態や口内の環境が整っていれば治療を受けられます。条件を満たしていれば、インプラントの成功率は97%以上といわれているため、安全性の高い治療法といえるでしょう。

インプラント治療のリスク

歯の治療を受ける女性

インプラント治療は安全性が確立された治療法ですが、リスクがあることは事実です。インプラント治療を受ける際は、リスクについてもよく理解しておくようにしましょう。以下に、インプラント治療中とインプラント治療後に起こるリスクを解説していきます。

インプラント治療中のリスク

インプラント治療中に起こるリスクは、以下の5つです。

・神経・血管損傷のリスク

・上顎洞炎のリスク

・細菌感染のリスク

・オーバーヒートのリスク

・骨とインプラント体が結合しないリスク

それぞれ詳しく解説していきます。

神経・血管を傷付けるリスク

顎の骨の中には神経の管や血管が通っているため、インプラント手術は神経や血管を損傷しないように進める必要があります。万が一、手術中に神経の管を傷付けたり圧迫したりすると、しびれや麻痺の原因となり、血管を傷付けると大量出血に繋がってしまうのです。

神経を損傷した場合、軽度であれば時間の経過とともに回復しますが、損傷が大きくなると服薬やリハビリが必要になるでしょう。特に、下顎の骨には大きな神経と血管の管が通っているため、手術の際には注意しなくてはいけません。

インプラント手術中は、神経や血管を傷付けないようにCT写真を確認しながら進めていくのが一般的です。インプラント手術を安全に行うためには、CTの撮影は必要不可欠といえるでしょう。

またインプラント手術の際にサージカルガイドを併用することでよりリスクを押さえた手術が可能になります。

 

サージカルガイドについて

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上顎洞炎のリスク

上顎洞とは、鼻腔の一部で上顎の奥歯の上に位置する空洞です。

インプラント手術を行うときは、上顎洞を覆う粘膜傷付けたり突き抜けたりしないように進める必要があります。万が一、粘膜を傷付けてしまうと細菌感染のリスクが高まり「上顎洞炎」を引き起こす原因になります。撮影したCTを参考に上顎洞の位置と骨の厚みや深さを確認し、適切なインプラント体を選択することがポイントになるでしょう。

なお、上の歯のインプラント手術では顎の骨が不足しているケースが多く、骨の量が不十分と診断された場合は骨を補填する骨造成術であるサイナスリフトやソケットリフトなどの上顎洞底挙上術を行なってからインプラント手術をします。

細菌感染のリスク

インプラント手術中・手術後は、細菌感染に注意が必要です。

インプラント手術は、衛生管理された部屋で器具はしっかりと滅菌された清潔な物を使用する必要があります。歯科医院の衛生管理が不十分で細菌感染するケースも少なからずあるため、感染対策を徹底している歯科医院でインプラント手術を受けるようにしましょう。

また、インプラント手術後は強いうがいを行なったり、歯ブラシで患部を強くブラッシングしたりすると、傷の治りが遅くなり細菌に感染するリスクが高くなるため注意が必要です。インプラント手術後の細菌感染を避けるためには、歯科医師の指示に従ってブラッシングなどのケアを行うようにしましょう。

さらに、免疫力の低下は細菌感染のリスクを高める原因になります。規則正しい生活を心がけて、疲れやストレスをためないようにすることも大切です。

オーバーヒートのリスク

インプラント手術では、ドリルで顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋め込んでいきます。手術中は、ドリルが回転する摩擦熱で顎の骨が火傷を起こす「オーバーヒート」に注意する必要があります。オーバーヒートが起こると、骨が壊死してインプラント体と顎の骨の結合が難しくなるでしょう。

インプラント手術でドリルを使用する際には、オーバーヒートを防ぐために水を注水し、冷却しながら進めていきます。注水が不十分にならないよう調整しながら作業を進める必要があるため、歯科医師の技術力はもちろん、手術前の器具の点検や注水の確認は必要不可欠です。

骨とインプラントが結合しないリスク

インプラントは、顎の骨とインプラント体がしっかりと結合することで自分の歯と同じように噛めるようになります。

しかし、まれにインプラント体と顎の骨がうまく結合せず、インプラント体が脱落してしまうことがあるのです。インプラント体と顎の骨が結合しない原因は、遺伝的な理由や骨の不足、細菌感染、オーバーヒートなどが考えられるでしょう。

インプラント治療を安全に行うためには、顎の骨に十分なに厚みや幅、高さが必要です。CT写真を確認して、インプラント治療が適切に行えるか判断する必要があるでしょう。

インプラント治療後のリスク

インプラント治療後に起こるリスクは、以下の2つです。

・インプラントの破損・脱落のリスク

・インプラント周囲炎のリスク

それぞれ詳しく解説していきます。

インプラントの破損・脱落のリスク

インプラントに強い衝撃や刺激が加わると、インプラントの破損や脱落のリスクが高まります。噛み合わせは常に変化し続けるため、噛み合わせによってはインプラントに大きく負担がかかる場合もあるでしょう。

インプラントはセルフケアをしっかり行い、歯科医院の定期メンテナンスを受けていれば長期間使用することが可能です。歯科医院の定期メンテナンスでは、インプラントに異常がないか、噛み合わせに変化がないかなど確認していきます。定期メンテナンスで噛み合わせを確認し調整することで、インプラントにかかる負担を軽減させることが可能です。

またはぎしりや食いしばりがある方はマウスピースの装着を行った方がインプラントをより守ることができます。

インプラント周囲炎のリスク

インプラントは人工物のため、虫歯になることはありません。

しかし、インプラントが歯周病菌に感染してしまう「インプラント周囲炎」には注意が必要です。インプラント周囲炎に感染すると、インプラントを支えている顎の骨が吸収されていくので最終的にインプラントが脱落してしまいます。インプラント周囲炎は進行が早く、一度感染すると完治することが難しいため、しっかり予防しましょう。

インプラント周囲炎の主な原因は、口内に残るプラークです。ふだんからブラッシングをしっかりと行い、口内にプラークを残さないように心がけましょう。

安全性の高い歯科医院とは?

歯の治療器具

インプラント治療を安心して受けるためには、安全性の高い歯科医院で受けることをおすすめします。安全性の高い歯科医院を選択するポイントは、以下の3つです。

・インプラント治療に必要な設備が整っているか

・インプラント手術の経験が豊富な歯科医院か

・定期メンテナンスを行なっているか

それぞれ詳しく解説していきます。

インプラント治療に必要な設備が整っているか

安全にインプラント治療を受けるためには、インプラント治療に必要な設備が整っている歯科医院を選択することが大切です。

インプラントは、顎の骨に十分な厚みと幅、高さが必要です。また、インプラント体を埋め込む際には、顎の骨を通っている神経や血管などを傷付けないように位置関係を把握したうえで進めなくてはいけません。

しかし、これらの判断はレントゲン写真だけでは難しく、歯科用CTを撮影して立体的に状態を確認する必要があるのです。

また、インプラント治療は外科手術を伴うため細菌感染のリスクがあります。インプラント手術は、細菌感染しない清潔な空間で行い、使用する器具は丁寧に滅菌処理するなどの対策が必要です。

インプラント治療を受けるときは、CTやオペ室の有無など必要な設備が整っているか確認するようにしましょう。

インプラント手術の経験が豊富な歯科医院か

安全にインプラント治療を受けるためには、インプラント治療に精通している歯科医師がいる歯科医院を選びましょう。

インプラント治療は外科手術を伴うため、専門的な知識や高度な技術力が必要です。昨今では、ホームページで歯科医師の保有する資格やインプラント手術の症例数を公開しているケースがあります。検討している歯科医院がある場合は、ホームページを確認してみるとよいでしょう。

定期メンテナンスを行なっているか

インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際は、治療後の定期メンテナンスをしっかりと行なっている歯科医院を選びましょう。

インプラントをよい状態で長く使用するためには、治療後も歯科医院の定期メンテナンスに通うことが大切です。歯科医院の定期メンテナンスに通うことで噛み合わせの変化やインプラントにトラブルが生じていないか確認できます。

また、歯磨きが不十分な部分のブラッシング指導や、自宅では除去できない歯石や着色を取り除いて、清潔な口内環境に整えていきます。インプラント治療後に定期メンテナンスを受診する流れを作っている歯科医院は、安全性の高い歯科医院といえるでしょう。

なお、インプラント治療後の定期メンテナンスの頻度は3か月〜半年に一度が一般的です。

両手で口元を指差す女性

インプラント治療は、条件を満たし全身や口の中の状態が良好であれば、安全に治療を受けることができるでしょう。

ただし、外科手術を伴うため、リスクがあることは事実です。安全にインプラント治療を受けるためには、歯科医師の技術力や経験はもちろん、必要な設備が整っている必要があります。また、インプラント治療後も定期メンテナンスを受診して、インプラントの状態を確認してもらうことが大切です。

少しでも気になることがありましたら、千葉県柏市の歯医者「ウィズ歯科クリニック」までお気軽にご相談ください。

当院では国際口腔インプラント学会(ISOI)認定医が三名在籍し、セカンドオピニオンや無料相談も受け付けおります。

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