インプラントは医療費控除の対象になるの?費用負担を軽減!医療費控除の活用術
こんにちは!千葉県柏市イオンモール柏向かいにある、ウィズ歯科クリニックの国際口腔インプラント学会認定医の小川です!
近年失った歯を補う方法として入れ歯ではなくインプラントを選択される方が増えてきています。
インプラントは自然な見た目や噛み心地を実現し、まるで自分の歯の様に食べ物をしっかり噛む事が出来ますのでストレスが少なく日常を送る事が出来るのも魅力の一つです。
インプラント治療の際は患者様と歯科医師の間でしっかりとインフォームド・コンセント(説明と同意)を行い治療のメリットだけでなく、潜在的なリスクやデメリットについても共有し、患者様が納得の上で治療を進める事が望ましいでしょう。
しかしインプラント治療は保険診療の適用外なので保険診療より治療費がかかる事も事実です。
このためインプラント治療を希望していても悩んで治療をためらう事も少なくありません。
そんな方に今回お伝えしたいのがインプラント治療は医療費控除の対象になるという事です。このお話をご存じの方はあまりいらっしゃらないのではないしょうか。
そこで今回はインプラント治療をするか悩んでおられる方にインプラントと医療費控除についてお話したいと思います。
医療費控除って?
医療費控除制度とは1年間に支払った医療費が基準額を超えた場合、その超えた部分について所得税から控除されるというものです。
インプラント以外にも、お子様の矯正や親知らずの抜歯、虫歯治療の被せ物、さらに通院のために使った公共交通機関の交通費などにも適用されます。
納税者自身やその配偶者、または生計を一にする親族の医療費に支払った金額が一定額を超えた場合に、その超過分を所得税から差し引く事が出来るので経済的な負担を減らせます。
インプラント以外で対象になるもの、ならないもの
さらにインプラント以外での歯科診療で医療費控除の対象になるものを挙げますと
・歯の補綴やむし歯治療の被せ物(セラミックを含む)
・成長過程のお子様の歯列矯正
・成人の方の嚙み合わせ治療のための歯列矯正(審美目的は不可)
・歯科処置に関連した医療行為 親知らずの抜歯
・歯の痛みを抑える鎮痛剤(薬局などで購入した物も)
・通院にかかる交通費 公共交通機関の電車・バスの交通費
などがありますので必要と思われる領収書は保管しておく事が大事です。
医療費控除の対象にならない歯科治療
では反対に対象にならないものは何があるでしょうか。以下に記します。
・歯のホワイトニング治療
歯の色を白くするためのホワイトニング治療は美容目的であり医療費控除の対象外です。
・見た目を改善するための歯列矯正
見た目の改善を目的とする歯列矯正の場合医療費控除の対象外となります。
・通院時のマイカーのガソリン代
通院時に自家用車を利用してかかったガソリン代、タクシー代は医療費控除の対象外です。公共交通機関の料金のみが対象となります。
医療費控除の算出例
それでは次に例を挙げてみましょう。
こちらが医療費控除額の計算式です。
例えば医療費として60万円を支払い、保険金で5万円が補填された場合は
「60万円―5万円―10万円=45万円(医療費控除額)」です。ここで注意したいのはここで出た金額は控除額でこのままの金額が返ってくるわけではないという事です。
算出された45万円分の控除額にそれぞれの総所得額に応じた税率で還付金額が決まり返ってくる形となります。
詳しい事は国税庁のホームページなどで調べてみましょう。
戻ってくる金額の目安 所得税+住民税の軽減額
医療費控除に必要なものは?
医療費控除の手続きに必要なもの以下の通りです。
・確定申告書
・源泉徴収票
・印鑑
・銀行の口座番号
・領収書
確定申告をする準備としてまず必要な書類を揃える必要があります。
医療費控除を受けるためには、1年間にかかった医療費の詳細な明細書が必要です。
レシートや領収書、交通費のメモなどを整理しておきましょう。
その後、セルフメディケーション税制と医療費控除のどちらを利用するかを決定し、必要な明細書を作成します。
また健康保険組合から送られてきた「医療費のお知らせ」があれば、これを明細書として添付する事もできますので、チェックしておきましょう。
※セルフメディケーション税制とは
健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている方が、その年中に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために12,000円を超える対象医薬品を購入した場合には、「セルフメディケーション税制」(通常の医療費控除との選択適用)を受ける事ができます。(国税庁HPより抜粋)
医療費控除の申請方法
医療費控除の申請方法はいくつかあります。ご自身のスタイルにあった方法で申請してください。
・自宅で書類を作成後お住まいの所轄税務署に直接持参もしくは郵送する
・国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用しパソコンから申告する(事前登録が必要)
・マイナポータルでスマホから申告する(事前登録が必要)
最近ではわざわざ出向いて長い時間待たなくても、インターネットを使ってパソコンやスマホからでも手軽に申告出来るようになりました。
やってみるととても簡単に出来ますので一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
インプラントは医療費控除の対象になるため、確定申告の時に申請すれば費用の負担を軽減する事ができます。
インプラント治療を受ける際には事前に必要な書類を揃えておく事で申請がスムーズになります。
治療に使った領収書やレシートは大事に保管しましょう。公共交通機関の様にレシートが無い物は記録をつけておきます。
もちろん交通系ICカードを利用した場合も医療費控除の対象になります。交通系ICカードの場合は、券売機やネットでも履歴を見られますので内訳を作成する便利です。
いかがでしたでしょうか。
インプラントやその他の自費治療は費用が高額になる事がありますが、医療費控除を活用すれば負担を少しでも減らす事が出来ます。
使える制度はしっかりと使い治療に迷っていらっしゃる方でも安心して治療を受ける手助けになれば幸いです。
またインプラント以外でも医療費控除の対象になる歯科診療があります。
「この場合はどうだろう?」
と気になる領収書は残しておき調べてみた方がいいかもしれませんね。
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