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【症例】【骨が足りない方へのインプラント治療】

こんにちは。

 

柏・南柏の歯医者、ウィズ歯科クリニック歯科医師の佐藤です。

 

今回はソケットリフトというテクニックを併用したフラップレスインプラントについて紹介します。

ソケットリフトとは上顎洞挙上手術の一つで、口腔内から上顎洞底部を持ち上げて隙間を作り、骨移植や再生療法などで骨造成を誘導する治療法です。上顎の奥歯にインプラント治療を行う際に十分な長さのインプラントを埋入するだけの骨の量が得られない場合に行います。骨の厚みが5〜6mmまでの症例に適応です。5〜6mmより少なくなるとサイナスリフトというもう一つの上顎洞挙上手術の適応になります。

 

 

今回は10年以上前に歯が原因で上顎洞に炎症が起きていたので原因となる歯を抜いてそのまま放置していた症例について紹介したいと思います。

初診時のレントゲン写真より上顎洞に炎症の名残の粘膜の肥厚が認められ、欠損部においては左上奥歯全てを喪失しており、下は全ての歯が残っていました。CTで精査するとインプラントを埋入するには2mm程骨量が不足していました。また、最も少ない部位の骨量は3mm程度で、上顎洞挙上手術としては歯肉を切開・剥離する必要があるサイナスリフトの適応となることを患者様に説明したところ、10年前に歯性上顎洞炎の治療を行う際に歯茎を切開した事があり、もう歯茎を切って辛い思いをしたくないとの事だったので、今回は骨の薄いところは避けて歯茎を切らないフラップレスインプラント埋入とソケットリフトを併用し、3本のインプラントを埋入後、ブリッジにて補綴する方法を説明し、同意を得ました。

従来のソケットリフトは口腔内からオステオトームという棒状のハンマーで叩いて上顎洞の底部を持ち上げて隙間を作っていた為、患者様には叩く際に出る音と振動はかなりの恐怖になっていたと思います。

当院が行っているソケットリフトはオステオトームの代わりにハッチリーマーと呼ばれる器具を使います。この器具は力をかける事なくゆっくりと回転させ、徐々に残存骨を菲薄化し、潜水艦のハッチが開くかのように挙上する器具です。これにより患者様に不快感や恐怖を与える事なく処置が行えます。

インプラント埋入後にレントゲンとCTを撮影したところ、治療計画通りの位置にインプラントが埋入されていました。また、術後に患者様が鼻出血等、認められませんでした。

このように当院では患者様の痛みだけではなく、不快感も取り除くよう様々な器具や技術を用いて治療にあたっております。

 

これからも研鑽に努め、皆様に満足のいく医療を提供したいと思います。文字だけでは伝わらない部分もございますので、どうぞお気軽にご相談下さい。

 

 

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