【症例】長期的予後を考えてインプラント治療を行いました
こんにちは!イオンモール柏の向かいにございます、ウィズ歯科クリニックの歯科医師の佐藤です。
今回は長期的予後を考えたインプラント治療について紹介したいと思います。
この患者様は以前当院にて左下のブリッジを外してインプラントによる治療を行った方です。この治療により「しっかり噛めるようになった」、「食べ物がブリッジに詰まりにくくなった」と大変ご満足いただいておりました。
右下は入れ歯を使用されていたのですが左下のインプラント治療がストレスも少なく満足できるものであったのでこちらの部分に関してもインプラント治療をご希望されました。
CTによる精査の結果、パノラマ写真や歯周病検査では見つけられなかった骨透過像(骨が溶けた状態)が右下の犬歯に認められました。欠損部へのインプラント埋入には現時点では影響はないですが、数年後に透過像が拡大し、インプラントが感染を起こす可能性が考えられたのでその旨を患者様にお伝えしました。患者様は将来の不安を先延ばしにしたくないとご希望されたので、症状は出てはいないのですが犬歯を抜歯し、インプラントブリッジによる治療計画を立案しました。
犬歯を抜歯したところわずかなヒビが入っており、そこから細菌が侵入し骨を溶かし不良肉芽を形成していたのが確認できました。抜歯時に感染物質をしっかり取り除き3ヶ月間治癒を待ちました。再度CTを撮影し抜歯窩を確認すると骨がしっかり回復していたのでサージカルガイドの型取りを行いました。サージカルガイドの使用は多少コストがかかりますが歯茎を切らない、そして確実なインプラント治療を行うためには必須の器具です。患者様が以前使った時すごく手術が楽だったので今回も使用する事をご希望していただけました。
インプラントのオペは予定通り進行し、麻酔後から30分程で確認の為のCT撮影も含めて終了しました。CT画像を確認したところ、プランニング通りの位置にインプラントが埋入されていることを確認しました。
術後1週間後の消毒の時に患者様にお痛み等を伺ったところ2〜3日は違和感があったけれども痛みは特に感じなかったという感想を頂きました。
今回は下顎のインプラント治療なので骨とインプラントがオステオインテグレーションするのを3ヶ月待ち、カスタムアバットメントと上部構造の印象を行う予定です。それまでの期間は旧義歯を使用していただくのですが、そのままだとインプラントに力がかかり不測の事態を招く可能性があるので、インプラントに負荷がかからないよう調整を行いました。
インプラント治療は長期的予後が求められる治療なので、これからも安定して長持ちする治療を第一に考え、患者様に末永くご満足いただける治療を行えるよう技術と知識の研鑽をしていきたいと思います。