【症例】セカンドオピニオンで来院された患者様へ抜歯即時埋入即時荷重インプラント治療を行った症例
こんにちは。
柏・南柏の歯医者、ウィズ歯科クリニックの歯科医師の佐藤です。
今回は歯を抜いてインプラント埋入を行い仮歯まで装着する「抜歯即時埋入即時荷重」を行いましたので紹介したいと思います。
患者様は50代女性の方で初診時に左上2番を他院で治療しているが腫れが引かないとの理由でセカンドオピニオンとして来院されました。
歯の既往歴は虫歯により神経の治療を行ったが再感染した。再度治療したがまた腫れたので次に外科的に感染歯質を除去するために歯根端切除術を行ったが再び腫れてきたということでした。
患者様は他院では抜歯をしインプラント治療を勧められたが、できれば歯を保存したいと考えていたのでまず感染根管治療を行い、以前に詰めた充填物と感染歯質を取り除きました。
数回治療することで根尖病巣は縮小し、歯肉の腫れは無くなってきました。
再感染による治療は予後が悪く10年以内にまた腫れる可能性があること、歯根端切除術を行ったことにより歯冠歯根比が悪い事を説明し、患者様に歯を保存してかぶせものを作るか抜歯して欠損補綴を行うかの選択肢を説明したところ、抜歯してインプラント治療を希望しました。
今回行ったインプラント治療の抜歯即時埋入の行える条件は歯の周りに骨が残っていて感染物質がないことが条件として挙げられます。
またインプラント埋入時にしっかりと固定が確保できた場合に限り仮歯を装着し即時荷重まで行う事ができます。
インプラント埋入オペではまず患歯の抜歯を行いました。従来の抜歯の方法では周囲の骨を破壊してしまう可能性があるためベネックスという特殊器具を使いました。
抜歯窩を丁寧に洗浄した後、精密な埋入を行うためにサージカルガイドを使用しインプラントを埋入しました。天然歯の植立方向とインプラントを埋入する方向は若干異なっている
ため抜歯窩の途中から口蓋側に向けて埋入窩を形成する必要があるためサージカルガイドは必須になります。
埋入が終了した後、固定が得られているかISQ値を測定すると70という値が確認できたので即時荷重に移行することにしました。
インプラントと抜歯窩の隙間に骨補填材を詰めて仮歯で抑え込むように調整し、インプラントとスクリューで固定しました。
最後にCTとレントゲン写真撮影を行いプランニングした埋入が行えていることを確認し、今回のオペを終了しました。
今回、抜歯即時埋入即時荷重は感染根治を行ったことにより根尖病巣が縮小していたことと歯根端切除術を行っていたため根尖測の骨があったので固定がしっかりとれたことによるものです。今後は経過をしっかりと観察してインプラントと骨とのオステオインテグレーションを待ちたいと思います。これからも患者様に寄り添い、より良い医療を提供するために知識と技術の研鑽に努めたいと思います。