【症例】前歯部の隙っ歯をマウスピースを使って矯正を行いました。
こんにちは!イオンモール柏の向かいにございます歯医者、ウィズ歯科クリニックの歯科医師の佐藤です!
今回は前歯の隙間に対して矯正治療の方法の一つである、マウスピース矯正(スマイルトゥルー)を受けられた患者様の症例をご紹介させていただきます。
マウスピース矯正のメリットとしてはほとんど歯を削る事はありません。マウスピースの大きさは自分の歯のサイズのままなので違和感が出にくい事が挙げられます。デメリットとしては治療期間が長くなってしまう。歯を動かす際にに弱い力で持続的に力が掛かるので痛みが出る可能性があるという事が挙げられます。
当院の矯正治療はブラケット矯正とマウスピース矯正に分けられます。
ブラケット矯正は一般的な矯正の治療法であり、ワイヤーをブラケットと呼ばれる装置に着けて歯を少しずつ動かす矯正方法です(皆さんも身近な方で歯に金属の部品のような装置を付けている方を見た事があるかもしれません。)。
どんな歯並びにも対応でき、確実に歯を動かせるという最大のメリットがある反面、歯の表面にブラケット装置がつくことで、違和感が強かったり、歯ブラシがしづらかったりすることがあります。
マウスピース矯正とは透明の厚み0.8mmのマウスピースを2〜3週毎に交換していく方法です。マウスピースはワイヤー矯正よりも弱い力を持続的にかけていく必要がある為、1日20時間以上、出来ればお食事の時以外は常につけていてもらい、矯正を行っていきます。
ブラケットのように歯に装置を直接つけるわけではないため、審美面と歯ブラシのしやすさという面がメリットになります。デメリットとしては前述したとおり1日20時間マウスピースを装着していないと効果が出ないこと、またブラケット矯正のようにどんな症例でもできるわけではなく、適応症が限られることです。
当院のマウスピース矯正にはインビザラインとスマイルトゥルーという2つの方法があります。インビザラインとスマイルトゥルーの大きな違いは矯正できる範囲と用途にあると言われています。
インビザラインでは、ブラケット矯正と同じように奥歯も含めて全体的な矯正が出来る反面、費用がスマイルトゥルーよりも高額になる傾向にあります。
一方、スマイルトゥルーは、全体的な矯正には不向きな反面、前歯部の部分矯正に特化しており、インビザラインよりも比較的安価に行え、また部分的な矯正であるため、治療期間も他の矯正治療法と比べると短くなる傾向にあります。
今回の患者様は20代男性で前歯の隙間が気になっており、当院のダイレクトポンディングという治療法をインターネットで調べて来院されました。
口腔内を拝見すると隙間が空いている部位は上下の犬歯間で認められました。今回の患者様の場合、治療法としてはダイレクトボンディングで隙間を埋める治療、被せ物を作成し隙間を埋める方法、矯正による治療法の3種類がありました。
ダイレクトボンディングのメリットは歯を削る事なく隙間を埋める事ができます。デメリットは接着するだけなので前歯で硬いものを咬むと外れやすい。時間が経つと色がついてしまう。歯質と材料の部分に僅かに段差が生まれる。歯の横幅が大きくなってしまい、審美性に劣るというものがあります。
被せ物による治療はよく補綴矯正と言われています。この治療法のメリットは短期間で治療が完了できる点にあります。また補綴物の材質を選択すれば着色が起こることはありません。デメリットとしては全周歯を削らなければならない。歯を削るので痛みがでて神経を取らなければならなくなる可能性がある。歯の横幅が大きくなってしまうというのが挙げられます。
患者様には冒頭で紹介した矯正治療も含めて3つの治療法を説明したところ、スマイルトゥルーによる治療を希望されました。
今回のケースは歯と歯の間に隙間がある空隙歯列弓なので歯を削る事は無いと診断できました。治療順序としてまず下顎の歯列を舌側に傾斜移動を行いながら上顎の歯列を移動させ、歯の隙間を埋めていくという流れになり治療期間は7ヶ月程掛かりました。
この後、歯が後戻りしない様に3ヶ月の間保定として最後に使用したマウスピースを装着してもらいました。3ヶ月程経過したのちにアタッチメントの除去を行い、保定は寝る時のみ行う様指示しました。
今回は前歯の隙間をマウスピース矯正で治療する方法を紹介致しました。このマウスピース矯正には他にも歯の叢生やクロスバイト等、前歯部の審美治療に使用する事ができます。
もし前歯部が気になる方は削って治療する前に一度ご相談頂けたら幸いです。
歯科治療の技術や方法は日々、日進月歩で進化しています。
これからも知識と技術を研鑽し、皆様の笑顔の為に日々、努力していきたいと思います。