【症例】20代男性「歯がズキズキ痛くて夜も眠れない」虫歯になっていた親知らずを抜き、隣の歯の本来の歯質を露出させた後、金属の土台と銀の被せ物で治療した症例
症例写真
治療前
治療後
症例の詳細
治療内容 | まずは、虫歯が神経に及んでいることによる強い痛みを取り除くことを優先し、手前の歯の応急処置を行いました。 この上に被せ物をする必要がありますが、歯の奥側(親知らず側)の虫歯が歯ぐきの中ほどにまで及んでいたため、このまま被せ物すると次のようなリスクがあります。 こうした場合には、歯ぐきの厚みを減らすことで本来の歯を露出させる「ディスタルウェッジ」をしたうえで被せ物をする方法が有効です。 最後に、保険適用の金属で歯の土台(メタルコア)を作り、銀の被せ物(フルメタルクラウン)を作製しました。 |
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患者様の状態・要望 | 「右下の歯がズキズキ痛くて夜も眠れない」とご相談をいただきました。 |
治療費用 | 約21,000円 |
治療期間 | 約2ヶ月 |
注意事項(主なリスク・副作用) | ・抜歯やディスタルウェッジは外科処置ですので、腫れや痛みが2週間ほど出る場合があります。 |
カウンセリング・診断結果
「右下の歯がズキズキ痛くて夜も眠れない」とご相談をいただきました。
レントゲン検査により、右下の親知らず(第3大臼歯/8番)とその手前の歯(第2大臼歯/7番)が大きく虫歯になっていることが確認できました。
親知らずの虫歯が手前の歯まで広がったものだと考えられます。
痛みの原因は、親知らず周囲の歯ぐきの炎症である「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」によるもの、または虫歯が深く神経に到達して痛みが出ている「歯髄炎(しずいえん)」のどちらかだと診断しました。
これらは、いずれも同じくらいの痛みが出る病気です。
実際に触れてみると、親知らずの歯ぐきには痛みがなく、手前の歯では「痛い」との訴えがあったので、痛みの原因は手前の歯の歯髄炎と判断しました。
ただし、痛みがない親知らずの虫歯も範囲が広く再建は難しく、放置すると手前の歯に影響を及ぼして歯周病になったり、智歯周囲炎の原因にもなりかねない状態でした。
行ったご提案・治療内容
まずは、虫歯が神経に及んでいることによる強い痛みを取り除くことを優先し、手前の歯の応急処置を行いました。
虫歯部分を削った後に神経を抜き、神経が入っている部屋である「根管」をきれいにして、再び細菌が入り込まないようしっかりと薬剤を詰めて密閉しました。
この上に被せ物をする必要がありますが、歯の奥側(親知らず側)の虫歯が歯ぐきの中ほどにまで及んでいたため、このまま被せ物すると次のようなリスクがあります。
・被せ物のフチが歯ぐきに隠れることにより歯ぐきと被せ物の間に隙間が生じ、そこに細菌が繁殖して歯周病を引き起こす
・被せ物は、本来の歯に比べて歯ぐきとの親和性が劣るため、歯の周囲を覆う歯ぐきが下がってしまう
・正確な型取りが難しく、被せ物がしっかり適合しない可能性がある
こうした場合には、歯ぐきの厚みを減らすことで本来の歯を露出させる「ディスタルウェッジ」をしたうえで被せ物をする方法が有効です。
この方法は端っこの歯の奥の歯ぐきにのみ適用できるため、親知らずを抜いた後にディスタルウェッジを行うことをご提案し、同意をいただきました。
最後に、保険適用の金属で歯の土台(メタルコア)を作り、銀の被せ物(フルメタルクラウン)を作製しました。
術後の経過・現在のご様子
痛みがなくなってしっかりと噛めるようになり、患者様に大変お喜びいただきました。