【症例】抜歯即時インプラント埋入治療で不揃いの前歯を1日で美しい見た目に
千葉県柏市の柏駅・南柏駅近くの歯医者「ウィズ歯科クリニック」の歯科医師・小澤です。今回ご紹介する症例は４0代・女性の患者様です。
こちらの患者様は、数年前に他院にて、仕上がりに満足していなかったようです。その結果、不揃いで上手く咬み合わず、ガタガタして困っていらっしゃいました。また、不揃いな前歯が影響してきちんと歯磨きができず、歯ぐきから出血してしまったりと、お口の中の環境が不衛生になっていました。
このような場合、インプラント治療や矯正治療などのいくつかの治療法が考えられます。しかし、患者様の「できるだけ短期間で美しく治療できて、なおかつ長持ちする治療がいい」というご要望を考慮し、抜歯即時インプラント埋入治療をご提案しました。
治療自体も、抜歯からインプラント手術まで一度で完了し、痛みなどもほとんどなく、１日で見た目が美しく仕上がりとてもご満足いただけたようです。
それでは、この症例の詳細をご紹介していきます。
治療の内容
インプラント治療の費用（税込み）
サージカルガイド：5.5万円
フィクスチャー：21万円×2本
仮歯：1.5万円×2本
合計50.5万円（※最終補綴物除く）
インプラント治療の期間
合計2ヶ月（※最終補綴物除く）
（※通院回数5回）
インプラント治療前の状態
・当院まで片道１時間かかる遠方の患者様（40代・女性）
・当院に通院されている患者様からのご紹介でご来院
主訴・ご要望
・他院にて数年前に入れた前歯が不揃いでガタガタする
・歯ぐきが黒ずみ見た目が気になる
・前歯が不揃いなせいで歯磨きが上手くできず、歯ぐきから出血がある
・できるだけ短期間で美しく治療して欲しい
・できるだけ長持ちする治療をして欲しい
こちらの患者様は、他院で入れた前歯（下記の画像）が不揃いで上手く咬み合わず、ガタガタしていらっしゃいました。歯がガタガタしてしまうとお食事や会話など、日常生活のあらゆる場面に影響を与えてしまいます。実際にこちらの患者様も、日常生活に不都合が生じて大きなストレスを感じていらっしゃいました。
また、前歯は特に目立つため、審美面からも早急な治療が必要になります。女性の患者様の場合はなおさらです。他にも、歯磨きが上手くできずに歯ぐきから出血してしまい、お口の中が不衛生になるなど悪循環に陥っていました。
インプラント治療の詳細
まずは右上1番と2番の歯に対して、歯肉の不調和と歯並びがガタガタであることを鑑みていくつかの治療パターンをご提案しました。治療方法としては矯正治療も一手段ですが、歯の状態も悪く患者様は望まれなかったため、補綴（欠損部分を人工物で補うこと）で改善していくことにしました。
歯を保存していくにあたり根幹治療も必要となります。そのために、まずは被せ物と土台を取り外し、虫歯を徹底的に除去。その後、健全な歯質がどれだけ残せるかを確認しました。
確認した結果、残存歯質が少ないことが分かりました。そこで、歯ぐきのラインを隣り合う歯（隣在歯）に合わせることを目的として歯冠長延長術（クラウンレングスニング）を行うことを検討してみました。しかし、元々の歯根が短いため、この処置を行うと被せ物の長さと骨に埋まっている歯根の長さの比率（歯冠歯根比）が大幅に悪化してしまう恐れがあります。つまり、予後が悪くなる可能性が高くなるのです。
いろいろ治療方法を検討してみましたが、患者様としては10年・20年先まで再治療しない済む治療をご希望されたため、今回は抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入インプラント治療」を行うことに決めました。
抜歯即時埋入インプラント治療で素早く美しく
抜歯即時埋入インプラント治療を開始する前に、最終的な補綴物の形状と歯肉のラインをイメージするために、サージカルステントという造影剤の入ったレジン歯で確認していただきます。これを、装着した状態でCT撮影を行いました。
今回の治療では元の歯ぐきのラインより約2mm、根尖方向に移動させるため、このステップが非常に重要になります。CT画像上で白く映っている部分が最終的な補綴物の位置になるので、ここから4mm程下にインプラントが埋入されるようにシミュレーションを行いました。この後、インプラント手術用のサージカルガイドを製作し、これを使用することで精密な仮歯の製作を可能にしています。
抜歯即時埋入インプラント治療の当日は、侵襲を与えないように慎重に抜歯し、埋入深度やインプラントの位置の確認を徹底して行い、仮歯の装着までを行いました。事前にしっかりとした綿密なシミュレーションや仮歯の製作を行っておくことで、1時間もかからずにすべての処置を完了することができます。
抜歯即時埋入インプラント治療なら、常に歯がある状態なので日常生活に支障が出ることもありません。また、切開や剥離なども行わないため、治療後は腫れや痛み、出血がほぼ出ずに済みました。
術後10日で、下記の画像のようにかなりきれいな状態にまで回復しました。
下記の画像をご覧ください。術前に比べ、仮歯の段階ですでに歯肉のラインも隣り合う歯と調和しています。この後、4ヶ月ほど待ってから最終補綴物の製作へと進みます。
インプラント治療の注意事項（副作用やリスク、デメリット）
・術後の予後を完全に保障するものではありません。
・インプラント治療は自由診療です。
・治療計画は口腔内、歯牙の状況により変更する場合があります。
・全身疾患や上顎洞炎などの既往がある方や、喫煙者の方は手術が不可能な場合もあります。
・インプラントを含む外科的処置にて下歯槽神経を損傷した場合、顔面に知覚麻痺が生じる場合があります。
・術後の痛み、腫れを伴う可能性があります。
・治療は複数回に及びます。
インプラント治療のその後
今回の抜歯即時埋入インプラント治療では、抜歯からインプラント手術まで一度で完了しています。痛みなどもほぼなく、しかも1日で見た目が美しくすることができ、患者様も非常にご満足いただけたようです。
治療後の経過は良好です。また、患者様が現在の仮歯で気になる点を考慮しながら、最終補綴物へと治療を進めていきます。その後は定期的なメインテナンスを行い、治療の再介入が起きないように当院が万全なフォローをして参ります。
本症例のまとめ
低侵襲かつ短期間で治療を完了できるよう、当院の歯科医師は日々治療技術をブラッシュアップしています。また、さらにヨーロッパ最大最古を誇るドイツのインプラント学会「国際口腔インプラント学会（ISOI）」の認定医が3名在籍しており、最新技術の修得や最新設備の導入も積極的に行っています。
審美治療においては、あらゆる治療オプションを提案できることが非常に重要だと感じています。そのため歯科医師の技量はもちろん、患者様の要望を正確に汲み取り、ベストな治療計画をご提案する必要があります。
当院では10名以上の歯科医師が在籍しており、それぞれの専門性を生かした「チーム医療」を行っています。患者様のご要望に合わせた治療オプションをご提示できるので、セカンドオピニオンで来院される方も多くいらっしゃいます。歯でお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。