インプラントコラムインプラント関連情報を積極的に発信しています

【症例~フラップレスインプラント~】歯根破折のため保存不可能となり抜歯。その後、外科的侵襲の少ない歯肉を切らない、縫わない、剥がさないフラップレスインプラント治療を行った症例

カウンセリング・診断結果

こんにちは!千葉県柏市イオンモール柏向かいにある、ウィズ歯科クリニックの国際インプラント学会認定医の小川です!

回はCTデータを元に0.1m単位の正確なインプラント埋入を可能にするサージカルガイドを用いた、フラップレスインプラント治療を行い、上部構造の装着まで治療を終えた患者様の症例を紹介させていただきます。

患者様は50歳代女性。左上の奥歯の被せ物が外れたことを主訴にご来院されました。

口腔内診査より、左上5番の被せ物が土台ごと外れており、歯根の表面は虫歯となっており、また歯根が割れている状態でした。

幸いにも痛みは出ていないとのことでしたが、歯根破折により、歯を保存することが困難であるという診断結果をお伝えすると、患者様は大変ショックを受けられていました。

もちろん、歯を失うことに対してショックを受けるのは当然ですが、この患者様の場合はお若いことから治療しては虫歯が再発または詰め物、被せ物が外れることを繰り返しており、その度に歯科医院に通うという生活を30年程続けていたそうです

そして、歯を治すためにしっかり治療に通い、定期検診にもしっかり通っていたそうです。

それなのに、なぜどんどん歯の状態が悪くなり、挙句の果てに抜歯となってしまうのはなぜなのだろう?と悲しんでおられました。

今回の左上5番に関しては、歯の神経を抜いた後に、金属の土台と金属の被せ物が装着されていた状態でした。

一般的に歯の神経が生きている状態は若木の枝と表現されることがあります。神経が生きているということは、血の巡りがあるため、丈夫で折れにくいのです。

しかし、歯の神経を抜いてしまうと血の巡りがなくなり、また感覚自体もなくなるため、被せ物の中で虫歯が出来て進行していても気が付かないことが多いです。加えて、神経を抜いた歯は枯れ木と表現されることがあり、歯が折れやすい状態となります。

こうした背景に加えて、それぞれ装着されていた金属の土台や被せ物は装着直後はセメントによって、歯根に密着していましたが、金属の土台の装着に使用するセメントは長期間に渡り、水に晒されると溶け出してしまう性質を持ちます。

口腔内は唾液によって常に湿った環境にあります。

こうしてセメントが溶け出してしまうと、土台と歯根の間には僅かな段差ができ、そのような状況で噛み続けることで、金属の土台が歯根表面にぶつかる形となり、歯根表面に亀裂が入ることで、歯根破折が起こります。

治療した歯がいつか壊れ再治療が必要になるまでどれだけ良い状態で時間を稼ぐことができるのかということが歯の寿命を延ばすポイントとなるため、質にこだわる歯科治療を行うことが歯を守ることとなります。

治療前                                治療後

行ったご提案・治療内容

以上のことを患者様にはお伝えした上で、次に抜歯を行った後の治療法について相談しました。

一般的に歯を失った後の治療方法としては両隣の歯を削って被せ物にし、歯を失った箇所にはダミーの歯を入れて、それらを橋渡しにしてつなげるブリッジと呼ばれる治療法、また両隣の歯にバネをかけて入れ歯にする方法。そして、インプラントがあります。

患者様にはそれぞれの処置方法のメリット・デメリットを説明させていただいた所、周りの歯に最も負担をかけないインプラントにて治療を進めることとなりました。

術後の経過・現在のご様子

まずは、左上5番を抜歯し、不良な組織を除去した後に、かさぶたの形成を促すコラーゲンの薬を抜歯した箇所に填入しました。

その後、5ヶ月経過した後にCT撮影を行い、骨の幅や厚み、治癒した歯肉の厚みも十分であったため、歯肉を切らない縫わない、剥がさないフラップレスインプラントにて治療計画を行い、3Dミュレーションシステムにてインプラントを埋入する位置を術前に決めた上で、3Dプリンターにてサージカルガイドを作製しました

術当日は局所麻酔後にインプラントを埋入する予定

箇所の歯肉に丸く小さな穴を開けて、インプラント埋入かを形成し、インプラントを埋入しました。

術時間は15分程度でした。

レントゲンにてインプラントが予定した位置に埋入できているか確認した所、術前のシミュレーション通りに埋入できていました。

その後、4ヶ月経過でインプラントと骨の結合の強さを測定(ISQ値)したところ、十分な値を認めたため、型取りをした後に、アバットメントおよび上部構造物を装着しました。

患者様に感想を伺った所、想像していたよりも痛みや腫れが生じることがなく、術時間も短かったことから、身体への負担が小さく、精神的にもとても楽だったとおっしゃられていました。

 

この治療のリスクについて

・外科処置後に腫れ、出血が生じる場合があります。

・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します。

治療費用・期間について   

治療費用:サージカルガイド 55,000円

     フィクスチャー  210,000円

     アバットメント+フィクスチャー 170,000円

治療完了に要する期間:約9カ月

初診時

インプラント埋入シミュレーション

インプラント埋入直後

上部構造装着

今回はサージカルガイドを用いた低侵襲なインプラント治療である「フラップレスインプラント」を行った症例について紹介させていただきました。

インプラント治療は周囲の歯に負担をかけない方法であり、フラップレスインプラントはインプラント治療のデメリットである外科的な侵襲を最小限に抑えることが出来る術式です。

術前に埋入する位置を0.1㎜単位で調整できるため、非常に確実で安全性の高い方法と言えます!

当院では国際口腔インプラント学会(ISOI)認定医が三名在籍し、セカンドオピニオン、無料相談も受け付けておりますのでご連絡をお待ちしております。

インプラント専門サイトはこちら

https://www.with-dc.com/implant/

千葉県 柏市、南柏の歯医者 ウィズ歯科クリニック

https://www.with-dc.com/