研究テーマ「歯周病と全身疾患の関連について」
こんにちは!イオンモール柏の国道6号線向かいの歯医者ウィズ歯科クリニックの小川です!
私は、今非常勤歯科医師として週一回ウィズ歯科に勤務しており、普段は日本大学松戸歯学部の口腔外科の大学院生として、日々研究に勤しんでいます!
今回はそんな私が普段研究しているテーマについて、ご紹介させていただきます。
研究テーマは「歯周病と全身疾患の関連について」です。
歯周病は皆さんもご存じの通り、歯茎の病気です。歯周病に関しては、よくテレビCMで「熟れすぎた歯茎」や「歯磨きの時に歯茎から血が出る…」といった文言を聞きますが、全て歯周病の症状であり、歯周病の怖い所はなりより、「痛みがない。」と言うことです。
出典: systema.lion.co.jp
ライオン社のデンターシステマのCMで使用された歯周病のキャラクターですが顔が怖すぎますね・・・苦笑
アニメのサザエさんで、カツオくんやタラちゃんが腫れた頬を押さえて嫌々歯医者に行くシーンがあります。歯が痛かったり、違和感が続いていたりすれば、嫌々でも歯医者に行こう!となると思いますが、この歯周病は厄介な事に、痛みが出ないことが多いです。
にもかかわらず、歯周病も末期となると、自然と歯が抜けてきてしまう恐ろしい病気だといえます。。。
では、歯周病の原因は何なのか?答えは細菌感染です!
歯周病には様々な細菌が関与していると言われていますが、その中でも代表的な細菌にporphyromonas gingivalis(ポルフェイロモナス・ジンジバリス)というものがあります(我々歯科医師は学生時代に何度もこの嫌になるくらい長い横文字を書いて覚えたものです笑)。
これらの歯周病原菌は子供から大人までその一定数が口腔(口の中)に存在すると言われています。しかし、子供は歯周病にはなりません。
出典: microbewiki.kenyon.edu
porphyromonas gingivalisはこういった細菌です。。
こんなのが口腔にいると考えるとぞっとしますね。。。
その理由は歯周病発症するための歯周病原菌の数が少ないからです!
つまり、「口腔に存在する歯周病原菌の数を減らすことが出来れば、歯周病予防予防につながるのです!」
では、歯周病予防には何をすればいいか?
「そんなの歯みがきに決まってるじゃ~ん。」との声が聞こえてきそうです。
確かに、歯みがきを中心としたセルフケアは大切です!寧ろ歯周病予防には必須と言えます。しかし、どんなに上手な方でも約60%のプラーク(歯垢)しか除去できないと言われています。そのため残りの40%はプロフェッショナルケアが必要、つまりは歯科医院でのクリーニングが必要になります。
そのため、当院でも歯周病予防には非常に力を入れております!
しかし、歯周病予防自体は現在どの医院でも力を入れているテーマであり、内容がこれだけであれば、目の肥えた患者さんには、「そんなの知ってるよ~」と言われてしまいそうなので、前述した「歯周病と全身疾患の関連」、またもう少し範囲を狭くして、私が大学院で研究しているテーマについて説明させていただきます。
歯周病と関連する全身疾患については、主に脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化症や糖尿病、誤嚥性肺炎や関節リウマチ、低出生体重児出産や早産など、様々な全身疾患との関連が報告されています。
日本臨床歯周病学会のHPには、
「全身の健康に歯科が出来ること=歯周病を予防する事が全身疾患を予防することにつながる。」
と記載されてます。
出典: 歯周病と全身疾患の関連 日本臨床歯周病学会HPより
これらの歯周病原菌が口から飲み込まれて、または歯周病で傷んだ歯茎の際から全身の血流中に移行し、体のそれぞれの器官で毒性を発揮することで全身の健康が損なわれてきます。
つまり、口腔の細菌数を減らすことは、歯周病予防だけではなく、全身疾患の予防に非常に重要だと言えます!
私は、歯周病菌の中でも、割りとマイナーな細菌である、Fusobacterium nucelatum(フゾバクテリウム・ニュークレアタム)について研究しております(もはや読むのも億劫になってきますね笑)。以下、F. n.菌と記載します。このF. n.菌は歯周病菌の中でもマイナーなにもかからわず、近年の研究で、口腔にいたF. n.菌が潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんの病巣に存在していたことがわかりました!
とうとう、歯周病菌から口腔から遠く離れた器官である大腸でもがんになる可能性も出てきたわけです。。怖いですね。。
下記の記事によると、
「大腸がん患者の4割で唾液とがん組織に共通したF. n.菌株が存在していた。」と記載されています。
https://www.m3.com/open/clinical/news/article/614890/
大腸や小腸には腸内細菌が存在しており、F. n.菌の仲間の細菌も存在していますが、口腔由来のF. n.菌が検出されたのは驚きですね!なぜ、口腔のF. n.菌が体の中でも正反対の方向にある、腸内で検出されたかは不明であり、そのメカニズムについては私も研究していますが、今後研究が進むと、大腸癌の新たな治療法や予防法につながり得る可能性があります。
口腔ケアが大腸がんを始めとする様々な全身疾患の予防につながることから、ただのクリーニングではなく歯周病治療としてより多くの患者さんに再認識していただく機会が増えそうですね!
これは私の研究データの一部です。
赤の棒線がF. n.菌を投与した群、青の棒線は何も投与していない群です。
グラフを見ると、何も投与していない群と比べ、F. n.菌を投与した群(赤の棒線)で腸内にとって悪影響となる炎症マーカの数値が上昇しています。
この結果から口腔のF. n.菌が腸内において毒性を示していることがわかります。
このように、歯周病は日を追う毎に、様々な病気との関連が解明されてきています。この記事を読んでいただき、もし歯周病治療について興味を持たれた方がいらしましたら、是非当院までご連絡ください!
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