癒合歯って何?

こんにちは!イオンモール柏の向かいにございます、ウィズ歯科クリニックの歯科医師の小川です!

歯がくっついて生えてくる「癒合歯」を知っていますか?

実際に生えてくる確率は少ないのですが、乳歯が変わった形をして生えてくると気になるのではないでしょうか。

癒合歯は機能自体に問題はないのですが、永久歯に生え変わる段階で対処しないと歯並びに影響を与えることもあります。

そこで今回は癒合歯とその対処法について詳しくご紹介します。

癒合歯とは?

癒合歯とは、本来2本で生えてくるはずの歯がくっついて1本で生えてくる歯のこといいます。

歯の神経が1つになっているものを「癒合歯」、歯の神経が別々になっているものを「癒着歯」といいます。

癒合歯になる可能性はかなり少なく、乳歯で34%、永久歯で0.3%なのであまり多くないことが特徴です。

癒合歯の原因ははっきりとはしていませんが、赤ちゃんがお腹の中にいる時に乳歯ができる過程でくっついてそのまま成長したという説が有力です。

癒合歯はほかの歯と同じように歯の機能を果たしますが、虫歯になりやすく、永久歯との生え変わりがうまくいかないなどのリスクが少し高くなるので注意が必要です。

癒合歯によって起きるリスク

次に、癒合歯によって起きるリスクについてお話します。

 

・生え変わりの時期が遅いことがある

永久歯が生えてくる時には、乳歯の根の部分が少しずつ吸収して、グラグラして自然に抜けます。

そして抜けた部分に永久歯が生えてくるのが一般的です。

しかし、癒合歯の場合には乳歯の根の吸収がうまくいかずに生え変わりの時期になっても乳歯が抜けないことがあります。

そうすると、永久歯が生えないので、生えるのを促すために抜歯をすることが多いです。

・虫歯のリスクが高い

癒合歯は歯がくっついている部分が溝になっているので、プラークが残りやすくなります。

この溝の部分を細かく磨かないと虫歯のリスクが高くなります。

・永久歯の数が少ないことがある

永久歯は乳歯の存在を確認してあごの中で成長します。

ただ、癒合歯の場合には乳歯が1本としか認識されず、永久歯が1本しか生えてこないことがあります。

癒合歯の永久歯が生えてこない確率はおよそ50パーセントと高い確率になっています。

・歯並びが悪くなる

乳歯が抜けた後、2本永久歯が生えてくる場合は、歯が生えてくるスペースが足りなくて歯並びが悪くなることがあります。

癒合歯のリスクの対処法

続いて、癒合歯のリスクの対処法についてですが、まず前提として癒合歯自体に問題はありません。

そのため、乳歯の段階で急いで治療やレントゲンを撮影する必要はありません。

・乳歯が生え変わる時期(56歳程度)に永久歯があるか確認して、歯並びやかみ合わせのリスクをチェックして生え変わりの経過観察をする。

・生え変わりの時期を過ぎても乳歯が抜けず、根の吸収を確認して、必要であれば抜歯をする。

・虫歯のリスクを下げるために、癒合歯の溝をシーラントで埋める。

 シーラントは削らずにできる処置なので、痛みはありません。

まとめ

癒合歯はいくつかリスクがありますが、対処するとその歯を問題なく使用することができます。

ただし、永久歯に生え変わる時に抜けない可能性や歯並びがガタガタになって悪くなる可能性があります。

永久歯に問題が出ないためにも定期的に検診を受けることをおすすめしています。

 

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