こどもの不正咬合とは?特徴や治療法、予防法について詳しく解説!

こんにちは!イオンモール柏向かいにございます、ウィズ歯科クリニック歯科医師の小川です。

 

「本人が気にしていないから」と、こどもの不正咬合を放置していないでしょうか。

不正咬合とは、噛み合わせや歯並びが悪いことをいい、遺伝だけでなく、指しゃぶりや口呼吸などの生活習慣が原因のこともあります。

この記事では、こどもの不正咬合の特徴や治療法、予防法について解説します。治療期間や費用の目安についても言及していますので、こどもの不正咬合が気になる方、矯正治療を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

こどもの正常な噛み合わせとは

歯科の椅子に座って手鏡で自分の歯を見る女の子

こどもの正常な噛み合わせとは、上の歯1本に対して下の歯2本が噛み合っている状態です。永久歯が生え揃っていない間は、正常な噛み合わせに見えづらいこともありますが、永久歯がすべて生え揃えば正常な噛み合わせになっていきます。

しかし、遺伝や指しゃぶりなどの生活習慣の影響で、永久歯が生え揃っても正常な噛み合わせにならないことがあります。このようなケースを「不正咬合」といいます。気になる場合は、早めに歯科医院で相談するのがよいでしょう。

噛み合わせの異常「不正咬合」の種類

グレーの背景の前で左頬を押さえて険しい表情をしている女の子

主なこどもの不正咬合は、以下の7種類です。

叢生(そうせい)

叢生とは、歯がねじれて生えたり、重なるように生えたりすることで、歯並びがガタガタになっていることです。歯並びの問題で一番多く、八重歯も叢生に含まれます。

叢生は、顎が小さく歯が生えるスペースがないことや、顎に対して歯が大きすぎることが原因です。歯並びがガタガタしていることによって歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるため注意が必要です。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突とは、上の前歯が強く前に傾いていたり、上の歯並び全体が前に出ていたりする、いわゆる「出っ歯」のことです。

遺伝以外には、上下の顎のバランスが悪いこと、下唇を噛む癖などで前歯に負担をかけてしまうことが原因です。前歯で食べ物が噛みづらかったり、発音が不明瞭になったりします。

下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突とは、下の前歯が前に強く傾いていたり、下の歯並び全体が前に出ていたりする、いわゆる「受け口」のことです。

遺伝や顎のバランスが悪いことが原因となることが多いです。前歯で食べ物が噛みづらかったり、発音が不明瞭になったりします。また、顎への負担がかかりやすいため、顎関節症を引き起こすリスクもあります。

開咬(かいこう)

開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに、前歯にすき間ができてしまう状態のことです。

前歯できちんと噛めないことで、奥歯への負担が大きくなり、顎関節症を引き起こすリスクがあります。また、空気が漏れやすいため発音が不明瞭になることもあります。開咬は、指しゃぶりや長期のおしゃぶりの使用、舌を前に出す癖などが原因です。

正中離開(せいちゅうりかい)

正中離開とは、前歯2本の間にすき間がある状態で、いわゆる「すきっ歯」のことです。

歯と歯の間にすき間が空いていることで、食べ物がつまりやすくなり虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、空気が漏れやすいため、発音が不明瞭になることもあります。正中離開は、顎の成長が不十分であることや、歯の大きさが小さいこと、指しゃぶりなどが原因です。

過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合とは、歯を噛み合わせたときに下の歯が見えない歯並びのことです。

噛み込みが深いため、奥歯への負担がかかりやすくなり、奥歯がすり減りやすくなります。また、下の前歯が上の前歯に強く当たりすぎてしまうため、出っ歯になるリスクもあります。こどもの過蓋咬合は、上顎に対して下顎が後方にあることや、乳歯の虫歯で奥歯を早期に失ってしまったことなどが原因です。

交叉咬合(こうさこうごう)

交叉咬合とは、歯を噛み合わせたときに上下の歯のどこかがズレている状態のことです。

上の歯の内側にあるはずの下の歯が、どこか1か所でもズレていると、下顎が横にズレて成長してしまいます。このことにより、顎の成長を妨げ、顎関節症や顔がゆがんでしまう原因となります。交叉咬合は、遺伝やもともとの歯並び、頬杖などが原因です。

こどもの不正咬合の原因

顔が描かれたカラフルな付箋

こどもの歯並びが悪くなる原因には、遺伝もありますが、何気ない日常の癖や習慣も影響します。ここでは、こどもの不正咬合の原因を解説します。

口呼吸

テレビを見ているときや読書をしているときなど、無意識に口が開いている「ポカン口」は、歯並びが悪くなる原因の一つです。

口が常に開いていると、口周りの筋肉が十分に発達しづらく、歯に十分な力を与えられないことで、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)の原因になります。口呼吸は無意識でしていることが多いため、親御さんがその都度優しく指摘してあげるのがよいでしょう。

口呼吸を続けていると、歯が前に出てきてくることにより、口を閉じようとしても閉じられなくなってしまったり、鼻づまりや慢性鼻炎によって鼻で呼吸しづらくなったりする場合があります。鼻の疾患による口呼吸は、先に耳鼻科を受診し、鼻の症状を改善する必要があるでしょう。

指しゃぶり

指しゃぶりも、こどもの不正咬合の原因です。3歳ごろまでの指しゃぶりは問題ないですが、3歳を過ぎてからも行っているようなら要注意といえます。長期間の指しゃぶりは、上顎前突(出っ歯)や開咬の原因となるためです。

指のしゃぶり方によりますが、上顎や上の前歯に強い力が加わるほか、下顎にも負担がかかり、歯並びや顎の成長に大きく影響を与えてしまいます。

こどもの指しゃぶりは、成長とともに自然となくなっていく習慣です。

しかし、3歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりする場合は、一度小児科や歯科医院で相談してみましょう。

舌癖

舌で前歯を押す、前歯の間から舌を出すなどの「舌の癖」は、不正咬合の原因です。

常に舌が前歯を押すことで、前歯が噛み合わなくなる開咬になります。また、持続的に前歯に負担がかかる唇を噛む癖も、開咬や出っ歯の原因となります。

こどもの不正咬合の治療法

オレンジの背景の前で右手にマウスピース、左手にワイヤー矯正の歯の模型を持っている男の子

永久歯が生え揃うまでの時期に行うこどもの矯正治療(一期治療)は、顎の成長を促すほか、前歯や奥歯の生え方をコントロールするのが目的です。ここでは、こどもの不正咬合の治療法を解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、歯にワイヤーを付け、歯並びを整えていく治療法です。こどもの矯正治療では、全体にワイヤーを付けることはせず、部分的に歯を並べることが多いです。

マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、取り外しのできるマウスピースを使った治療法です。装置の種類はさまざまありますが、寝るときや家にいるときに使用することによって、筋肉のバランスを整え、顎の成長を促します。

拡大装置

拡大装置とは、歯の内側に付けたワイヤーで歯列全体を横に広げるための固定式の装置です。歯列を広げることにより、ガタガタした歯並びの改善やこれから生えてくる永久歯のスペースを確保できます。

急速拡大装置

急速拡大装置とは、上顎全体を骨ごと広げるための装置です。歯を動かして歯並びを整えるのではなく、骨ごと広げることで、永久歯を並べる土台を整えられるのが特徴です。

フェイシャルマスク

口に付ける固定式の装置に、取り外しできるフェイシャルマスクを付けて使用する矯正装置です。寝るときや家にいるときに使用し、上顎の成長が不足している反対咬合のこどもの治療に使用します。

ヘッドギア

口に付けるフェイスボウに、首に付けるネックストラップ、またはヘッドキャップを付けて使用する矯正装置です。上顎前突の治療に使用することが多く、上の奥歯を後方に動かしたり、上下の顎のバランスを整えたりする場合に使用します。

こどもの不正咬合の治療は何歳から始めるべき?

水色の背景の前で右手でグッドサインを出し、左手に目覚まし時計を持った男の子

こどもの矯正治療には、歯の生え変わり時期に始める一期治療と、永久歯が生え揃った段階で始める二期治療に分けられます。

一期治療は312歳までが対象で、顎の成長を利用して、歯並びを整えることが目的です。二期治療は、一期治療で永久歯が生えるスペースを確保したあとに行う治療で、永久歯の歯並びを整えていくことが目的です。

こどもの不正咬合の治療はほとんどの場合、永久歯が生え始める5~7歳ごろから始めるのが一般的です。

しかし、下顎前突(受け口)は、長期の治療と経過観察が必要になることもあるため、3歳以降のなるべく早い時期から治療を始めるのがよいでしょう。また、骨格的な問題がない叢生の場合、一期治療は行わずに、小学校高学年ごろから二期治療のみ行うこともあります。

こどもの不正咬合の治療開始時期は、症状によって異なります。経過をみながら治療を始めることがベストなので、永久歯が生え揃う前に歯科医師に相談するのがよいでしょう。

こどもの不正咬合の治療にかかる費用

水色の背景の前にピンクの豚の貯金箱とコインが置かれている

こどもの不正咬合の治療にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

・一期治療:300,000~400,000

・二期治療:500,000~900,000

こどもの矯正治療は、基本的には保険適用外のため自費診療になります。実際に使用する矯正装置や症状によって異なるため、目安として参考にしてください。

こどもの不正咬合の治療期間

黄色の背景の前に時計とカレンダーが置かれている

こどもの不正咬合の治療期間の目安は、以下のとおりです。

・一期治療:1~3

・二期治療:1~3

こどもの不正咬合の治療期間の目安は、治療法によっても異なりますが、1~3年が一般的です。治療が終わったあともこどもの顎の骨は成長していくため、定期的な経過観察が必要といえるでしょう。

こどもが不正咬合にならないための予防法

歯科の椅子に座って手鏡で歯を見ている男の子2人と、それを見守る男性歯科医師とお母さん

こどもが不正咬合にならないための予防法は、以下の4つです。

姿勢をよくする

頬杖や猫背など姿勢が悪いことは、不正咬合の原因の一つです。頬杖をつくことで、片方の顎にだけ力がかかり、顔のゆがみや歯並びが悪くなります。また、猫背で背中が丸くなることで、前歯でしか噛まない癖がつき、歯にとってよくありません。

頬杖や猫背は無意識にしてしまうものですが、こどもがしていたら優しく声をかけてあげましょう。

よく噛んで食べる

よく噛むことで、唇や顎、顔の筋肉が発達するため、歯並びが悪くなるのを防げます。一口につき、30回ほど噛むようにしましょう。

鼻呼吸をやめる

口呼吸やポカン口は顎と舌が下がるため、口周りの発達が不十分になります。

不正咬合だけでなく、虫歯やアレルギー、扁桃腺の腫れやすくなるなど、体への影響も出るため注意しましょう。

定期健診に通う

親御さんが日々の様子を見ていても、こどもの不正咬合の状況を完全に把握するのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

舌の位置や癖などは、歯科医師に確認してもらいましょう。定期健診に通うことで、虫歯や歯周病の予防にもつながります。3か月~半年に1回は、歯科医院で全体をチェックしてもらうのがおすすめです。

まとめ

歯科の椅子に座ってグッドサインを出している男の子

矯正治療が必要かどうかは、親御さんが見るだけでは判断できません。こどもの不正咬合は、永久歯が生え始めるころから治療をすすめるのがよいとされています。こどものうちから定期的に歯科に通うことで、虫歯予防だけでなく、ベストな時期に矯正治療を開始できます。こどもの歯並びや矯正治療が気になる方は、一度歯科医師に相談してみましょう。

お子さまの不正咬合でお悩みの方は、柏の歯医者「ウィズ歯科クリニック」までお気軽にご相談ください。ご連絡をお待ちしております。

 

 

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