癒合歯・癒着歯とは?放置するリスクと治療の必要性を解説!
こんにちは。イオンモール柏向かいにある、ウィズ歯科クリニック歯科医師小川です。
歯の生まれつきの形態異常には「癒合歯(ゆごうし)」「癒着歯(ゆちゃくし)」があります。簡単にいうと2本の歯がくっついたような状態になっているものです。
発生頻度はそれほど高くないものの、乳歯の場合は1クラスに1名程度の確率なので、身近な人の中で癒合歯・癒着歯があるという人もいるかもしれません。歯と歯がくっついてハート型のように見えて気が付くこともあります。
今回は、癒合歯・癒着歯の特徴や放置するリスク、治療の必要性などを詳しく解説していきます。
癒合歯・癒着歯とは
癒合歯とは、本来2本で生えてくるはずの歯がくっついて1本になっているものです。
厳密には、くっついている状態によって呼び名が異なり、歯の神経が1つになっているものを「癒合歯」、歯の神経が別々になっているものを「癒着歯」といいます。すべてを合わせて「癒合歯」と表現することもあります。
発生頻度は、乳歯の場合で3〜4%、永久歯で0.3%程度です。永久歯よりも乳歯のほうが癒合歯・癒着歯になる確率が高いといえます。具体的には、乳歯を前から数えて下の歯の2番目と3番目、もしくは1番目と2番目がくっついていることが多いです。
くっつき方はそれぞれ異なり、大きな1つの歯のように見える場合や、ハート型のように見える場合、よく見ないとくっついていることがわからない場合もあります。
癒合歯・癒着歯になる原因
癒合歯・癒着歯になる原因は、実ははっきりとわかっていません。
赤ちゃんがお腹の中にいるときから、乳歯の元(胚)が作られています。お腹の中で乳歯ができてくる過程で隣の歯とくっついてそのまま成長したと考えられています。稀に「母親のせいなのではないか?」と考える親御さんがいますが、まったくそうではありません。歯茎の中で歯の形が作られる過程で偶然そうなったものなのです。
癒合歯・癒着歯を放置するリスク
癒合歯・癒着歯は、生活をするうえで特に問題がなければ、基本的には放置します。特別な処置をする必要はありません。
ただし、歯がくっついた特殊な形状をしているため、汚れが付きやすいなどのリスクがあります。また、歯の生え変わりの際に見守りが必要です。
癒合歯・癒着歯のリスクを知って、しっかりと対策をすることが大切といえるでしょう。
虫歯になりやすいリスク
2つの歯がくっついた形をしているため、結合部が複雑な形をしています。そのため、汚れが溜まりやすく、歯茎に炎症を起こしたり、虫歯になるリスクが高くなります。
自宅では、丁寧にブラッシングをするようにしましょう。また、歯科医院で癒合歯の境目をシーラントで埋めたり、定期的にフッ素を塗るとよいでしょう。
シーラントとは、歯科用プラスチック樹脂の一種で、通常は奥歯の深い溝を虫歯から予防するために薄く埋めて使用するものですが、癒合歯にも応用可能です。歯を削らずに、表面処理を施すだけでくっつけることができます。
虫歯の治療のリスク
癒合歯が虫歯になってしまうと、2本分の歯の治療をすることになります。例えば、虫歯が神経まで到達するほど大きくなってしまった場合や、歯の神経の一部が結合している場合には、両方の歯を治療しなくてはなりません。
治療が複雑で大変になってしまうこともあるので、できるだけ虫歯にならないようにすることが大切です。
永久歯への生え変わりがスムーズにいかないリスク
乳歯の癒合歯に場合、その下に埋まっている永久歯への生え変わりがスムーズにいかないことがあります。
通常、永久歯が生えてくるときには、乳歯の根が次第に吸収されて短くなり抜け落ちて、そのあとに永久歯が生えてきます。
しかし、癒合歯の場合は、歯の根も2本が1つになった形態をしており、うまく吸収されないことがあるのです。生え変わりの時期になったら、癒合歯の根の吸収状態を定期的にレントゲンでチェックをし、必要であれば癒合歯の抜歯を行うようにします。
永久歯の歯並びのリスク
乳歯よりも永久歯のほうが癒合歯になる割合が少ないので、癒合歯の乳歯が抜けたあとに2本の永久歯が生えてくる場合、歯が生えるスペースが足りなくなる場合があります。
また、生えてくる永久歯が1本の場合も、上下の歯の真ん中のラインがズレたり、スペースを埋めるために周囲の歯が動くなどして、歯並びに影響が出る場合があります。
永久歯への生え変わりの時期になったら、定期的にレントゲン写真を撮影し、チェックをするなどして、そのあとに矯正治療が必要かどうかなどを相談していくのがよいでしょう。
永久歯の癒合歯の見た目のリスク
永久歯が癒合歯になる可能性は低いですが、永久歯の場合には数十年と使用することになります。癒合歯が生える場所によっては、審美的に気になる場合もあるでしょう。
癒合歯・癒着歯は治療する必要がある?
癒合歯を分離させるような治療はしません。何もトラブルを起こしていなければ、基本的には治療する必要はなく経過観察をしていきます。
ただし、次のような状況になった場合には治療が必要となり、一般歯科で診てもらうこともできます。
虫歯になってしまった場合
癒合歯が虫歯になってしまった場合、通常の形態の歯と同じように、虫歯の治療が必要です。
大きな虫歯で神経の治療が必要になると、治療が複雑になってしまうことがあります。そうなる前に早めに治療をするのがよいでしょう。小さな虫歯であれば、虫歯部分を削って歯科用レジンで充填する治療で済みます。
永久歯への生え変わりがうまくいかない場合
乳歯の癒合歯の場合、うまく歯の根が吸収されずに、なかなか自然に抜けないことがあります。そうなると、永久歯への生え変わりがスムーズにいきません。
放置しておくと将来的な歯並びに影響する可能性も出てくるので、定期的にレントゲン写真を撮影してチェックをし、必要であれば抜歯を行います。
矯正治療が必要な場合
乳歯が癒合歯で、後続永久歯が通常通り2本の歯の場合、生えるスペースが足りなくなり、歯並びが乱れることがあります。また、癒合歯の後続永久歯が1本しかない場合には、空いたスペースにほかの歯が移動してきて、歯並びが乱れることもあるでしょう。
癒合歯がある場合は、永久歯への生え変わりにあたって、今後矯正治療をしたほうがよい場合もあります。将来的に矯正を考える場合には、癒合歯の生え変わりの時期から、かかりつけの歯科医院で定期的に相談できるようにしておきましょう。
審美歯科治療が必要な場合
可能性は低いですが、永久歯が癒合歯の場合もあります。永久歯の場合は、この先数十年と使用する歯であり、場所によっては見た目が気になることもあるかもしれません。そのような場合は、審美歯科治療を行います。
癒合歯は歪んだ形をしていることが多いため、削って上から見た目がよい被せ物を被せる治療を行います。天然の歯の色味に近いセラミック製の被せ物であれば、自然な見た目にすることができるでしょう。
まとめ
生えてくる歯が癒合歯・癒着歯であることがあります。これらは、お母さんのお腹の中にいて歯の元が作られていく過程で偶然、歯と歯がくっついた状態になったものです。
原因などははっきり解明されていません。永久歯よりも乳歯に見られる割合が多く、20〜30人に一人は癒合歯・癒着歯の状態で生えてきますが、特に大きな問題はありません。虫歯にならないように気を付けてブラッシングケアを行い、永久歯の生え変わりがうまくいくように見守りをすることがポイントです。
癒合歯の場合に限りませんが、乳歯の時期から歯のトラブルはたびたび起こります。虫歯の治療や矯正治療が必要になったときのために、幼児のうちからかかりつけ歯科医院があると安心です。
少しでも気になることがありましたら、柏の歯医者「ウィズ歯科クリニック」までお気軽にご相談ください。ご連絡をお待ちしております。
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