【症例】30代女性 抜歯即時インプラント体埋入術を行い、上部構造物の装着まで完了した一症例
こんにちは!千葉県柏市イオンモール柏の向かいにある、ウィズ歯科クリニックの国際口腔インプラント学会認定医の小川です!
今回は保存不可能となった歯の抜歯と同時にインプラント体を埋入する方法、「抜歯即時インプラント体埋入術」を行い、上部構造物の装着まで完了した一症例について紹介させていただきます。
治療前 治療後
カウンセリング・診断結果
患者様は30代女性で、右下奥歯の被せ物の脱離を主訴に来院されました。口腔内診査より、右下奥歯は被せ物だけでなく、被せ物を被せるための土台ごと外れてしまった状態で、残っている歯の根の表面は虫歯になっていました。
また、レントゲン検査により、右下の奥歯は既に神経を抜いた後の状態であり、虫歯の進行は歯の根の股の部分まで進行していることが確認されました。
右下奥歯に関しては虫歯の進行により保存が出来ない状態と診断し、治療法として抜歯が必要と患者様に説明させていただきました。
まず、抜歯が必要となるまで虫歯が進行してしまった理由として、リピーテッドレストレーションサイクルと呼ばれる虫歯の進行によって歯が最終的に抜歯に至るサイクルについて説明させていただきました。
リピーテッドレストレーションサイクルとは、虫歯の再発を繰り返すことで、その度に歯を削る行為を繰り返し、やがて歯の内部の神経にダメージが蓄積し、耐え難い歯の痛みを生じたり、歯の神経が壊死してしまった結果、歯の神経を抜くに至ります。
神経を抜かれた歯は、細菌感染が起こりやすくなり歯の深部において虫歯の進行が生じやすくなり、結果として強度が落ち、最終的には歯の根が折れてしまい、歯の保存が不可能=抜歯という状態に陥ります。
今回の患者様の場合、神経を抜いて被せ物の治療を受けたのが7,8年前ということでしたので、その間に虫歯が進行し、どんどん歯の強度が落ちてしまったと推察されました。
以上の説明をさせていただき、患者様としては歯を失うことにショックを受けていたものの、説明に納得していただき、抜歯について同意を得ました。
行ったご提案・治療内容
抜歯後の治療法として、患者様としては抜歯と診断されたらインプラント治療を検討したいと考えていたようで、ただ、抜歯処置とインプラント治療と外科処置が2回必要となることに対する心理的な負担を感じており、当院のホームページで「抜歯即時インプラント体埋入術」の記事をお読みになり、なんとかこの方法で処置が出来ないか?と依頼されました。
「抜歯即時インプラント体埋入術」とは抜歯と同時にインプラント体を埋入する方法であり、最大のメリットは外科的な侵襲の最小化と治療期間の大幅な短縮にあります。
通常のインプラント治療の場合は、抜歯を行ってから平均3~4か月の治癒期間を経てインプラント体を埋入し、その後2-3ヶ月、骨とインプラントが結合する期間を置いた後に被せ物の型取りを行い、上部構造物を装着し治療完了になります。
このため、通常のインプラント治療の場合、抜歯からスタートしたとするとトータルの治療期間が7-8ヶ月程となります。
抜歯を行ってからの治癒期間をスキップできるため、治療期間は半年以内で、外科処置も1回のみとすることが出来るため、外科的な侵襲を最小限に抑えることができ、治療期間の大幅な短縮に繋がります。
ですが、当然どんな場合であっても「抜歯即時インプラント体埋入術」が行えるわけではなく、症例は選ぶ必要があります。
「抜歯即時インプラント体埋入術」を行う条件
・歯の根に膿が溜まっていない、または膿が溜まっている範囲が小さい
・抜歯を行った直後でもしっかりインプラントを固定出来るだけの骨の厚みや幅が残っている
・最終的に装着する被せ物の形態を想定した時に理想的な位置でインプラント体を埋入できる
これらの条件を無視してインプラント治療を行ってしまうと、失敗するリスクが高まります。そのため、通常は抜歯後に治癒期間を置き、その後でインプラント治療に入ることをおすすめすることもあります。しかし、この患者様の場合、幸いにも必要条件をみたしていたため、「抜歯即時インプラント体埋入術」が可能と判断しました。
そして、この方法で手術を行う場合、通常の治癒した骨にインプラント体を埋入する方法と比べると、難易度が上がるため、より正確な埋入を行うために、CT・3Dスキャンデータより事前にインプラント体の埋入位置を0.1mm単位でデジタルシミュレーションすることができるソフトを用いて、サージカルガイドを作製し手術に臨みました。
まず、局所麻酔後に歯の抜歯を行い、骨とインプラントの結合を阻害する不良な組織を徹底的に除去しました。次に、サージカルガイドを装着し、インプラント体を埋入する予定個所を専用のドリルで切削し、インプラント体を埋入しました。インプラント体の固定状況が良好であることが確認できたため、最後に元々歯がいた隙間の箇所には人工骨を填入し、手術を終了しました。
術後の経過・現在の様子
術直後は、患者様曰く、痛みは2~3日程出たものの、鎮痛剤で抑えることが出来る程度で、腫れや出血はほとんどなかったと仰っていました。なにより、抜歯とインプラント治療を同時に行えたことに安堵していました。
その後の経過も良好で、この患者様の場合、手術後3ヶ月目にインプラントと骨の結合状況を計測する器機にて数値を測ったところ、安定した数値が出たため、そのまま上部構造物の型取りを行い、後日装着を行い、治療完了となりました。
この治療のリスク
・骨の状態によってはこの方法により手術が行えない可能性がある(条件については上記参照)
・抜歯を行うことにより、痛みや腫れ、出血を生じることがある。痛みについては鎮痛剤にて対応できる程度である。
治療期間・費用
・サージカルガイド ¥55,000
・フィクスチャー ¥210,000
・骨補填材 ¥33,000
・チタンアバットメント+ジルコニアクラウン ¥190,000
計¥488,000
治癒期間 5か月
まとめ
今回は右下奥歯に対して「抜歯即時インプラント体埋入術」を行った一症例について紹介させていただきました。
この方法は前述した通り、最小限の外科的な侵襲と治療期間の大幅な短縮を実現することができ、骨の状態によっては行えない場合もありますが、基本的にはインプラント治療におけるファーストチョイスなのではないかと思います。
千葉県柏市のウィズ歯科クリニックでは国際口腔インプラント学会(ISOl)認定医が三名在籍し、セカンドオピニオンや無料相談も受け付けおります。ご連絡をお待ちしております。
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