柏市の歯科・歯医者 イオンモール柏向かいのウィズ歯科クリニック　柏｜【症例】60代女性　インプラント周囲の歯肉の炎症による違和感の継続に対して、歯肉の移植をする方法によ り解消した一症例

こんにちは！千葉県柏市イオンモール柏向かいにある、ウィズ歯科クリニックの国際口腔インプラント学会認定医の小川です！

今回は、他院にてインプラント体埋入術を行い、上部構造物まで装着し、治療が完了したものの、歯肉の違和感がなかなか消えずお困りになっていた患者様に対して歯肉移植を行い、違和感を解消した一症例について紹介させていただきます。

治療前　　　　　　　　　　　　　治療後

患者様は60代女性。インプラント治療が完了したものの、歯肉の違和感が続いていることを主訴に来院されました。

問診の結果、半年前に他院にてインプラント体埋入手術を行い、上部構造まで装着したものの、口を大きく開けた時や顎を左右に動かした時に歯肉が引っ張られるような違和感が残っている、またインプラント周囲をブラッシングした際に出血が出やすく、また痛みが生じやすいなどのお困り事を抱えてらっしゃいました。

当時の担当医師からは「経過観察」と説明されていたものの、症状がなかなか改善されないため、セカンドオピニオンという形で当院を受診されました。

まず、歯肉の違和感の原因として、最も重要なのはインプラント周囲炎です。これはインプラントにおける歯周病の進行を指します。天然歯の場合、歯周病が進行すると歯が揺れだし、抜歯に至るケースがあります。一方、インプラント周囲炎ではインプラントを支える骨が瘦せてしまい、最悪の場合は再治療が必要になることもあります。そのため、まずはレントゲン検査を実施したところ、幸いにも炎症は骨まで及んでいない状態であったため、最悪な状況は避けられました。

しかし、インプラント周囲の歯肉を確認すると、腫れており、少し触れるだけで痛みや出血が見られました。この状態はインプラント周囲炎の前段階であるインプラント周囲粘膜炎の状態であると診断しました。

インプラント周囲粘膜炎とは、歯肉に炎症があるもののインプラントを支える骨まで炎症が及んでいない状態で、天然歯で表現すると歯肉炎の状態に当たります。歯肉炎はじわじわと時間をかけて歯を支える骨を溶かす歯周病の状態に変化するのと同じで、インプラントの場合もインプラント周囲粘膜炎の状態が長く続くとインプラント周囲炎に変化してインプラントを支える骨を溶かしてしまう恐れがあるため、早急にこの状態を改善する必要があると考えました。また、なにより患者様自身歯肉に違和感が続いていることに対して、不安な日々を過ごされているとのことで、この心理的な負担を取るためにも治療が必要と考えました。

さて、インプラント周囲の歯肉を確認すると、あることに気がつきました。それは、インプラント周囲の頬側が可動性の粘膜で覆われていたことです。（画像1枚目の赤枠で囲った領域）

歯肉には2種類あり、角化歯肉（＝硬い歯肉）と可動粘膜（＝柔らかい歯肉）になります。インプラント周囲には角化歯肉が最低2mm以上あると安定しやすいと言われています。

反対にインプラント周囲の角化歯肉が足りず、可動粘膜に覆われていると、口を大きく開けたり、顎を左右に動かした時に可動粘膜が波打ってしまい、それが違和感に繋がるのと、この記事をご覧になっている方の中には衛生士から「歯の際をよく磨きましょう」と指導を受けた経験を持つ方もいらっしゃると思いますが、可動粘膜はとても繊細なためブラッシングをした際に傷つきやすく、上手くブラッシングが出来ないことから炎症が続いてしまう原因になります。そのため、インプラント周囲には角化歯肉が十分にあることが大切です。

一方で、インプラント周囲に角化歯肉が不足し、可動粘膜に覆われている場合も問題が生じます。口を大きく開けたり顎を左右に動かした際に可動粘膜が波打ち、それが違和感につながることがあります。この記事をご覧の方の中にも、衛生士から「歯の際をよく磨きましょう」と指導された経験がある方がいらっしゃるかもしれません。しかし、可動粘膜はとても繊細で、ブラッシングで傷つきやすく、上手に磨けないために炎症が続いてしまうことがあります。

反対にインプラント周囲の角化歯肉が足りず、可動粘膜に覆われている場合も問題が生じます。口を大きく開けたり顎を左右に動かした際に可動粘膜が波打ち、それが違和感に繋がることがあります。この記事をご覧になっている方の中には、衛生士から「歯の際をよく磨きましょう」と指導された経験がある方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、可動粘液はとても繊細なためブラッシングをした際に傷つきやすく、磨けないことから炎症が続いてしまう原因になります。そのため、インプラント周囲には角化歯肉が十分にあることが大切です。

では、なぜその角化歯肉が足りなくなってしまったのかという疑問ですが、それは抜歯を行った際に生じる環境の変化にあります。一般的に抜歯を行った後に残された骨や歯肉は平均で30〜40%程痩せてしまうと言われています。

残された骨は主に頬側の骨が内側に窪んでくるようにして治癒し、歯肉の場合は元々あった角化歯肉がなくなり、代わりに可動粘膜が内側に移動してきて、傷口を塞ぎ治癒します。骨の場合にはもし痩せてしまったとしてもの骨の厚みが残っていればインプラント体は埋入できます。

しかし、角化歯肉が足りない状態で上部構造を装着すると、今回の患者様のような状態になります。この状態はインプラントの予後にも悪影響を与えます。

そのため、当院ではインプラント体を埋入することだけではなく、上部構造を装着した後も快適に食事やセルフケアができる治療法を提案することを念頭においています。

この状況を解決するためにはインプラント周囲に角化歯肉を作る必要があります。その方法はインプラント周囲に角化歯肉を移植する方法です。この方法では、インプラント周囲の可動粘膜を取り除き、代わりに上顎の裏側にある角化歯肉を切り取って移植を行います。

移植という言葉を聞くだけでも、相当な痛みを想像する方もいらっしゃいますが、違和感があるものの、痛みは、ほとんどない様子で、血が2.3日にじむ程度。もちろん、痛みが全くないというわけではないのですが、痛み止めを飲めばコントロールできます。

上記の説明を経て、患者様も「今の違和感が解消されるのであれば是非手術を受けたい」とのことで手術に臨みました。

術後の患者様にお話を伺うと「思ったより、痛みや腫れ、出血はなかった。」とおっしゃられていました。術後は移植した角化歯肉の感染が起きることもなく、良好に経過したため、2ヶ月の治癒期間を置いた後に上部構造の製作を行い装着しました。

患者様からは「今まで続いていた違和感が消えた！歯ブラシをしても血が出なくなった！」と喜ばしい言葉をいただけました。

・傷口が2箇所になる
・痛み、腫れが場合により１週間程度続く場合がある。痛みに対しては鎮痛剤にて対応可能。
・出血に対する対策として、特に上顎の傷口に対しては専用のマウスピースを作製して止血対策をとる

今回はインプラント周囲の歯肉の炎症による違和感の継続に対して、歯肉の移植をする方法により解消した一症例について紹介させていただきました。インプラント治療後に歯肉の違和感やブラッシングをした際に出血が出やすいなどの不調が続く場合は、歯肉の状態を整えることで快適な状態を取り戻せる可能性があります。

千葉県柏市のウィズ歯科クリニックでは国際口腔インプラント学会（ISOl）認定医が三名在籍し、セカンドオピニオンや無料相談も受け付けおります。ご連絡をお待ちしております。

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