乳歯の癒合歯が永久歯に与えるリスクとは?早めに知りたい原因と家庭でできる対応法

「お子さまの乳歯が、なんだか大きくて形も変わっている…これって大丈夫?」と不安に思われたことはありませんか?それはもしかすると「癒合歯」かもしれません。癒合歯は珍しいものではなく、多くのお子さまに見られますが、放っておくと永久歯の生え方や歯並びに影響を与えることもあります。

この記事では、癒合歯ができる原因やできやすい部位、そして将来の永久歯へのリスクについて詳しく解説します。また、ご家庭でできる日常のケア方法や、親御さんが知っておくべきポイントもまとめました。癒合歯について不安や疑問がある方は、ぜひ最後までお読みください。

乳歯の癒合歯とは?原因や影響を知ろう

乳歯の癒合歯は、隣り合う2本の乳歯がくっついて1本の歯のように見える状態で、全体の約2〜5%のお子さまにみられるとされており決して珍しいものではありません。特に2〜3歳頃の乳歯が生え揃う時期に発見されることが多いです。癒合歯の原因としては、胎児期に隣同士の歯胚(歯の芽)が発育の途中で接触し、そのまま結びつくことが挙げられます。遺伝的要素や妊娠中の環境も影響すると考えられています。癒合歯はむし歯リスクが高くなるほか、永久歯の生え変わりや歯並びに影響を及ぼすこともあります。異変に気づいた場合は、早めに歯科医院で確認することが安心につながります。

癒合歯が永久歯に影響を与える理由とは?

癒合歯があると、その下にある永久歯に影響が及ぶ可能性があります。癒合歯は根の形が複雑なことが多く、歯胚(永久歯のもとになる組織)の位置や発育にずれが生じることがあります。その結果、永久歯が正常な位置に生えずに傾いたり、埋まったまま出てこなかったりする場合もあります。さらに、癒合歯の大きさによって歯列のスペース不足を招き、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼすこともあります。これらを防ぐためにも、定期的なレントゲン検査で永久歯の状態を確認し、必要に応じて早めに対応していくことが大切です。

歯並びの影響にも注意が必要

癒合歯があると、通常よりも歯が幅をとって並ぶため、永久歯への生え変わりの時期にスペースが足りなくなることがあります。
特に、後継の永久歯に先天的な欠如がない場合には、生えてくる歯の本数が多いため、並ぶスペースが不足し、歯が重なって生える「叢生(そうせい)」のリスクが高まります。

一方で、先天的に永久歯が欠如している場合には、その部分に歯が生えてこないことで歯と歯の間にすき間ができる「空隙歯列(くうげきしれつ)」や、上下・左右の歯列のバランスが崩れる不調和が起こりやすくなります。

このように、癒合歯があるお子さまは、将来的な歯並びや噛み合わせに影響が出やすいため、定期的なレントゲン検査で永久歯の発育や本数を確認し、必要に応じた早期の対応を行うことが大切です。

癒合歯ができやすい部位とその特徴

癒合歯は特に下顎の前歯に多く見られ、約70%がこの部位に発生するとされています。左右対称に現れることは少なく、片側だけに見られるケースが一般的です。一見1本の大きな歯のように見えますが、表面には深い溝があり、汚れが溜まりやすいのが特徴です。「歯の大きさが左右で違う」「乳歯の形がいびつに見える」といった気になる変化があれば、癒合歯の可能性があります。早めに歯科医院でご相談いただくことで、安心してお子さまのお口の成長を見守ることができます。

癒合歯があると永久歯の生え変わりはどうなる?知っておきたいリスク

癒合歯がある場合、永久歯の生え変わりがスムーズに進まないことがあります。通常、乳歯は永久歯の成長に合わせて自然に抜けますが、癒合歯は根の構造が複雑で自然に抜けにくく、生え変わりがスムーズに進まないことがあります。その結果、永久歯がずれて生えてきたり、歯並びが悪くなりやすくなる場合もあります。生え変わり時期である6〜7歳になっても癒合歯が動かない場合は注意が必要です。歯科医院でレントゲン撮影を行い、永久歯の位置や状態を把握することで、早期発見と適切な対応につながります。

永久歯が生えてこないこともある?先天性欠如や埋伏歯の可能性

癒合歯があると、永久歯が生えてこない「先天性欠如(せんてんせいけつじょ)」のリスクがやや高くなるといわれています。日本小児歯科学会のデータでは、永久歯の先天性欠如は約10%に見られますが、癒合歯があるお子さまではさらに高い傾向があります。また、「埋伏歯」といって骨や歯ぐきに埋まったまま生えてこない状態もあります。放置すると歯列不正や痛みを引き起こす可能性があるため、乳歯が抜けない場合や生え変わりが遅れている場合は早めに歯科医院でレントゲン検査を受けることが大切です。

乳歯の癒合歯がある場合のケアと日常生活での注意点

癒合歯は通常の乳歯に比べて手入れが難しく、日常生活でも注意が必要な歯です。表面の溝や段差に食べかすやプラークが溜まりやすく、むし歯や歯ぐきの炎症につながりやすいためです。家庭での仕上げ磨きに加え、タフトブラシ(先の細い小さなブラシ)やデンタルフロスを使って隙間や溝を丁寧に清掃しましょう。磨きにくい部位を意識して、毎日のケアを少し工夫するだけでも、リスクを大きく減らすことができます。

癒合歯はむし歯になりやすい?リスクと予防法

癒合歯は構造的にむし歯リスクが高く、特に癒合部の深い溝に汚れが溜まりやすく、ケアが行き届かないと、むし歯が進行しやすくなります。乳歯期はもともとむし歯の進行が早い時期でもあるため、日頃のケアと定期的な予防処置がとても重要です。家庭でのケアに加えて、歯科医院でのフッ素塗布やシーラント処置(歯の溝を保護する処置)を受けることで、むし歯のリスクを効果的に下げることができます。また、3か月に1回程度の定期検診とクリーニングを習慣づけるとより安心です。

正しい歯磨き方法と親御さんが気をつけたいポイント

癒合歯のケアは通常の歯以上に丁寧なブラッシングが求められます。まずは歯ブラシで全体をしっかり磨いた後、タフトブラシを使って癒合部や細かい溝を丁寧に清掃しましょう。鏡を使って磨き残しがないか確認することも大切です。また、就寝中は唾液の分泌が減り、むし歯リスクが高まるため、寝る前にフロスを使って歯間清掃も行うと良いでしょう。お子さま自身に歯磨き習慣を身につけさせることも大切ですが、小学校低学年までは親御さんによる仕上げ磨きも続けることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「乳歯の癒合歯」について、その原因や特徴、そして永久歯への影響や注意すべきリスクについてお伝えしました。癒合歯は決して珍しいものではありませんが、生え変わり時期や歯並びに影響する可能性があるため、早めの気づきとケアが大切です。

また、むし歯になりやすい特徴もあるため、日々の正しい歯磨きや定期検診も欠かせません。お子さまのお口の健康を守るために、気になることがあれば歯科医院に相談してみてください。本記事が保護者の皆さまのご参考になれば幸いです。

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